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IP等級とは?防塵・防水の見方を防犯のプロが解説【2026年JIS改正対応】

「防犯カメラを買おうとしたら、IP66やIP67って書いてあるけど、何が違うの?」「スマホのIP68って、結局どのくらい防水なの?」——そんな疑問を持ったことはありませんか。

IP等級は電気機器の防塵・防水性能を示す国際規格ですが、その読み方や意味を正しく理解している方は意外と少ないものです。さらに、2026年1月にJIS規格が23年ぶりに刷新され、新しい保護等級「9」が新設されました。(出典:日本規格協会プレスリリース

本記事では、防犯設備士の知見をもとに、IP等級の基礎知識から2026年JIS改正の最新情報、屋外防犯カメラの選び方まで徹底解説します。この1記事で、IP等級に関する知識がすべて身につく内容です。

この記事でわかること

  • IP等級の読み方: 「IP〇〇」の2桁の数字が示す防塵・防水性能の意味
  • 2026年JIS改正: JIS C 0920からJIS C 60529への移行と保護等級「9」の新設
  • 防塵・防水の早見表: 全等級の一覧表で一目でわかる性能比較
  • IP67とIP68の違い: 似ているようで異なる試験条件と使い分け
  • 防犯カメラの選び方: 設置場所別の推奨IP等級を防犯設備士が解説
  • IP等級の限界: 「防水」を過信してはいけない理由と注意点

IP等級の基本|「IP」ってそもそも何?

IP等級(IPコード)とは、IEC 60529で定められた電気機器の防塵・防水性能を数値で示す国際規格です。IPは「International Protection」(国際保護等級)の略で、スマートフォン、防犯カメラ、照明器具など、私たちの身の回りのさまざまな電気製品に使われています。

IP等級の定義と目的

IP等級の目的は、「この製品はどのくらいのホコリや水に耐えられるか」を統一された基準で表すことです。

メーカーが「防水です」「防塵です」と書いていても、その基準はバラバラです。IP等級があることで、消費者はメーカーや製品の違いを超えて、客観的に防塵・防水性能を比較できます。

項目内容
規格名IEC 60529 / JIS C 60529(2026年1月改正)
正式名称Degrees of protection provided by enclosures(外郭による保護等級)
制定機関国際電気標準会議(IEC)
日本での対応規格JIS C 60529(旧:JIS C 0920)
対象電気機器の外郭(ケース・筐体)

IPコードの読み方:「IP〇〇」の数字の意味

IPコードは「IP」+2桁の数字で構成されます。

  • 1桁目(十の位): 防塵性能(固形物への保護等級)。0〜6の7段階
  • 2桁目(一の位): 防水性能(水への保護等級)。0〜9の10段階

たとえば「IP67」であれば、防塵性能が最高等級の6(完全な防塵)、防水性能が7(一時的な水没に耐える)という意味です。

数字が大きいほど保護性能が高いと覚えておけば、基本的な読み方はOKです。

「X」が示す本当の意味

IPコードで「IPX7」「IP6X」のように「X」が入っている場合があります。この「X」は**「性能がない」のではなく「その項目の試験を行っていない(未試験)」**という意味です。

たとえば「IPX7」は「防塵は未試験だが、防水は等級7をクリアしている」ことを示します。防塵性能がゼロというわけではなく、単に試験していないだけです。

ここを誤解している方が多いので、覚えておいてください。

1桁目の数字が持つ「もう一つ」の重要な役割

IP等級の1桁目は「防塵性能」として知られていますが、正式には「固形物の侵入に対する保護」を意味します。つまり、ホコリだけでなく人体(指や手)が危険な部分に触れることへの保護も含まれています。

等級固形物からの保護人体保護の意味
0保護なし保護なし
1直径50mm以上の固形物手の甲が危険部に接触しない
2直径12.5mm以上の固形物指が危険部に接触しない
3直径2.5mm以上の固形物工具が危険部に接触しない
4直径1.0mm以上の固形物ワイヤーが危険部に接触しない
5防塵(有害な量の粉塵が侵入しない)完全保護
6耐塵(粉塵の侵入が完全にない)完全保護

防犯カメラのように屋外に設置する電気機器では、粉塵の侵入がセンサーやレンズに悪影響を与えるため、IP5X以上の防塵性能が求められます。

IP等級の数字の意味を徹底解説!【早見表付き】

ここからは、防塵・防水それぞれの等級を早見表で詳しく見ていきましょう。

1桁目の数字:防塵性能(固形物への強さ)

防塵性能は0〜6の7段階です。数字が大きいほど、より小さな固形物・粉塵からの保護性能が高くなります。

防塵性能等級(第1特性数字)一覧

等級保護の程度試験条件具体例
0保護なし屋内専用の一部電子部品
1直径50mm以上の固形物に対する保護直径50mmの球体が侵入しない大型配電盤
2直径12.5mm以上の固形物に対する保護直径12.5mmの球体が侵入しない壁面スイッチ
3直径2.5mm以上の固形物に対する保護直径2.5mmの棒が侵入しない屋内コンセント
4直径1.0mm以上の固形物に対する保護直径1.0mmのワイヤーが侵入しない精密機器
5防塵粉塵が有害な量で侵入しない屋外照明、スマートフォン
6耐塵(完全防塵)粉塵の侵入が完全にない防犯カメラ、産業機器

屋外に設置する防犯カメラにはIP5X以上が必須です。砂塵が多い環境や工事現場の近くではIP6Xを選びましょう。

2桁目の数字:防水性能(水への強さ)

防水性能は0〜9の10段階です。2026年1月のJIS改正で保護等級9が正式に追加されました。

防水性能等級(第2特性数字)一覧

等級保護の程度試験条件具体例
0保護なし屋内専用機器
1鉛直に落ちる水滴鉛直落下の水滴に10分間耐える天井照明
215度傾斜の水滴15度傾斜での水滴に10分間耐える壁掛け機器
3散水鉛直から60度の角度で散水しても浸水しない屋外照明
4飛沫あらゆる方向からの飛沫に耐えるキッチン家電
5噴流あらゆる方向からの噴流水に耐える屋外コンセント
6暴噴流あらゆる方向からの暴噴流に耐える屋外防犯カメラ
7一時的水没水深1mに30分間沈めても浸水しないスマートフォン
8継続的水没メーカー規定の水深・時間で浸水しないダイビング機器
9高圧・高温水噴流80℃の高温水を高圧で噴射しても浸水しない食品工場機器

等級9は2026年1月のJIS改正で正式に追加された最新の保護等級です。詳しくは次のセクションで解説します。

【2026年改正】JIS規格の最新情報|保護等級「9」が新設

2026年1月20日、日本規格協会は23年ぶりとなるIP等級関連のJIS規格の大幅刷新を行いました。この改正は防犯カメラの選び方にも影響を与える重要な変更です。

JIS C 0920 → JIS C 60529 への変更点

項目旧規格新規格
規格番号JIS C 0920JIS C 60529
対応国際規格IEC 60529:2013IEC 60529:2013(完全一致)
最終改正2003年(23年前)2026年1月20日
防水等級の範囲0〜80〜9(等級9を新設)
日本独自規定あり(附属書に独自規定)削除(国際規格と完全一致)

(出典:日本規格協会プレスリリース

規格番号が「C 0920」から「C 60529」に変わったのは、国際規格IEC 60529の番号体系に合わせたためです。これにより、日本のJIS規格と国際規格が完全に一致し、海外製品との互換性がより明確になりました。

新設された保護等級「9」(高圧・高温水噴流)とは

今回の改正の最大のポイントは、防水性能に新しい保護等級「9」が追加されたことです。

項目内容
等級番号9(IP69K相当)
試験条件80℃の高温水を80〜100barの高圧で噴射
噴射距離100〜150mm
噴射角度0°・30°・60°・90°の4方向
試験時間各角度30秒
主な用途食品工場、農業機械、車両洗浄設備、屋外産業機器

これまで「IP69K」として知られていた規格が、JIS規格に正式に組み込まれた形です。

日本独自規定の削除と国際規格との完全整合

旧JIS C 0920には、日本独自の附属書(追加規定)が含まれていました。今回の改正でこれらが削除され、IEC 60529と完全に一致する内容になっています。

この変更により、海外メーカーの防犯カメラや電子機器のIP等級をそのまま日本の基準として読み取れるようになり、製品選びがよりシンプルになりました。

改正が防犯カメラ選びに与える影響

一般家庭の防犯カメラ選びに直接的な影響はありません。住宅用の屋外防犯カメラは引き続きIP66またはIP67が推奨です。

ただし、以下のケースでは新しい保護等級9が関係してきます。

  • 高圧洗浄を頻繁に行うエリア(ガレージ・工場周辺)に防犯カメラを設置する場合
  • 食品工場や農業施設の監視カメラを選定する場合
  • 塩害地域で高い耐環境性が求められる場合

2026年2月時点では、まだ保護等級9を取得した家庭用防犯カメラは限られています。今後、産業用カメラを中心にIP69K対応製品が増えていくことが予想されます。

IP等級の試験方法|どうやって等級を決めるのか?

IP等級は自己申告ではなく、規格に定められた試験方法をクリアして初めて認められます。ここでは主な試験方法を紹介します。

防塵試験(ダストチャンバー試験)の流れ

防塵性能(等級5・6)の試験は「ダストチャンバー(粉塵チャンバー)」と呼ばれる密閉された試験槽で行います。

  1. 製品を試験槽に設置: 規定の粉塵(タルクパウダー等)が充満した密閉槽に製品を入れる
  2. 粉塵を循環させる: 試験槽内の粉塵をファンで循環させ、製品に対して一定時間暴露する
  3. 内部を確認: 試験後に製品を開封し、内部への粉塵の侵入量を確認する

等級5(防塵)は「有害な量の粉塵が侵入しない」、等級6(耐塵)は「粉塵の侵入が完全にない」ことが合格基準です。

防水試験(散水・噴流・水没)の流れ

防水性能は等級によって試験方法が大きく異なります。

等級試験方法水量・水圧
1〜2滴水試験1mm/分の水滴を10分間
3〜4散水・飛沫試験オシレーティングチューブで散水
5噴流試験6.3mmノズルから12.5L/分を3分間
6暴噴流試験12.5mmノズルから100L/分を3分間
7水没試験水深1mに30分間
8水没試験(継続)メーカー規定の条件
9高温高圧噴流試験80℃・80〜100barの高圧水を噴射

試験は「常温の真水」のみ|海水・温泉は対象外

IP等級の試験で注意すべき重要なポイントがあります。

IP等級の防水試験は、すべて常温(15〜35℃)の真水で行われます。つまり、以下の環境での防水性能は保証されていません。

  • 海水: 塩分による腐食で防水パッキンが劣化
  • 温泉水: 硫黄等の化学成分が防水素材を侵食
  • 高温の水: サウナやお風呂の熱水(等級9を除く)
  • 化学薬品: 洗剤、溶剤、油

「IP67だからお風呂で使える」と思い込んでいる方がいますが、実際にはお風呂の湯温(40℃前後)は試験条件の範囲外です。スマートフォンメーカーも「お風呂での使用は推奨しない」と注意書きをしています。

【シーン別】私たちの身の回りにあるIP等級

IP等級は防犯カメラだけでなく、私たちの生活に密着したさまざまな製品に使われています。身近な例を見てみましょう。

スマートフォンでよく見る「IP67」と「IP68」の違い

スマートフォンの防水性能としてよく目にする「IP67」と「IP68」。数字が1つ違うだけですが、試験条件は異なります。

項目IP67IP68
防塵性能等級6(耐塵:完全防塵)等級6(耐塵:完全防塵)
防水試験水深1mに30分間メーカー規定(例:水深6mに30分間)
代表的な製品Google Pixel 9aiPhone 16 Pro(IP68、水深6m/30分)

IP68は「等級8」の試験条件がメーカーごとに異なるのが特徴です。Apple、Samsung、Googleなどのメーカーはそれぞれ独自の試験水深を設定しています。

屋外用防犯カメラに最適なIP等級は?【プロの視点】

防犯設備士として、屋外に設置する防犯カメラにはIP66以上を推奨します。

IP66は「暴噴流(強い水圧の噴流)に耐える」性能で、台風やゲリラ豪雨でも浸水しない水準です。防犯カメラは設置したら簡単には交換できないため、十分な防水性能を持った製品を選ぶことが重要です。

推奨IP等級

設置環境推奨IP等級理由
屋内IP41以上ホコリと飛沫からの保護で十分
軒下(雨が直接当たらない)IP65以上噴流水への耐性があれば安心
屋外(雨風が直接当たる)IP66以上暴噴流に耐える性能が必要
浸水リスクのある場所IP67以上一時的な水没にも耐える性能
高圧洗浄を行うエリアIP69K2026年JIS改正で正式規格化

プロの追加アドバイス:IK等級もチェック

防犯カメラを選ぶ際は、IP等級に加えて**IK等級(耐衝撃性)**も確認してください。

IK等級はIEC 62262で定められた「機械的衝撃に対する保護等級」で、IK00〜IK10の11段階があります。

IK等級衝撃エネルギー具体的なイメージ
IK085ジュール1.7kgの物体を300mmの高さから落下
IK0910ジュール5kgの物体を200mmの高さから落下
IK1020ジュール5kgの物体を400mmの高さから落下

屋外の防犯カメラはIK08以上を推奨します。いたずらや投石で壊されてしまっては、どんなに防水性能が高くても意味がありません。PTZカメラの特徴と選び方も参考にしてください。

IP等級の注意点と限界|「防水」を過信しないために

IP等級は信頼できる基準ですが、万能ではありません。「IP67だから安心」と過信すると思わぬトラブルに見舞われることがあります。

防水性能は経年劣化する

IP等級は製品出荷時(新品時)の性能を示しています。使用年数が経つと、防水パッキン(ゴム・シリコン部品)が紫外線や温度変化で硬化・劣化し、防水性能が低下します。

屋外に設置した防犯カメラは3〜5年を目安にパッキンの状態を点検することをおすすめします。特に直射日光が当たる場所や、気温差が激しい環境では劣化が早まります。

海水・温泉・化学薬品は保証対象外

前述の通り、IP等級の試験は常温の真水のみです。以下の環境では、IP等級に関わらず防水性能が保証されません。

  • 海岸沿い(塩害でネジ・パッキンが腐食)
  • 温泉地(硫黄等の成分がシーリングを侵食)
  • 工場内(油・化学薬品の環境)

海岸沿いに防犯カメラを設置する場合は、IP等級に加えて塩害対策仕様の製品を選んでください。i-PROなどの業務用カメラメーカーは耐塩害モデルを用意しています。

IPX7とIPX6は同時に保証されない?

意外と知られていませんが、IPX7(水没試験)をクリアした製品がIPX6(暴噴流試験)もクリアしているとは限りません

これは試験方法がまったく異なるためです。IPX7は「静かに水に沈める」試験ですが、IPX6は「強い水圧を直接噴射する」試験です。水没には耐えても、高圧の噴流で内部に水が侵入するケースがあります。

両方の性能を保証したい製品は「IPX6/IPX7」のように両方の等級を表記します。防犯カメラを選ぶ際は、スペック表でIPX6とIPX7が両方記載されているかを確認してください。

メーカーごとの試験条件の違い

IP等級の試験は第三者機関が行う場合とメーカーの自社試験で行う場合があります。特にIP68は「メーカーが規定する条件」で試験するため、同じIP68でも製品によって実際の防水性能に差があります。

信頼できる製品を選ぶポイントは以下のとおりです。

  • 第三者認証機関のテストレポートが公開されている
  • 具体的な試験条件(水深・時間)が明記されている
  • メーカーの保証規定にIP等級の適用条件が記載されている

設置場所別・推奨IP等級(防犯カメラ編)

防犯カメラの設置場所別に、防犯設備士としての推奨IP等級をまとめました。

設置環境とIP等級の選定フロー

防犯カメラのIP等級選びは、設置場所の環境条件から逆算して判断します。

  1. 屋内設置か屋外設置か? → 屋内ならIP41以上で十分。屋外なら次へ
  2. 雨が直接当たるか? → 当たらない(軒下)ならIP65以上。当たるなら次へ
  3. 台風・豪雨のリスクは? → ありならIP66以上。浸水リスクがあるなら次へ
  4. 水没の可能性は? → ありならIP67以上を選択
  5. IK等級も確認 → 屋外ならIK08以上を推奨

防犯カメラの設置方法については防犯カメラの正しい設置方法で詳しく解説しています。

コスト感覚|IP等級が上がると価格はどう変わる?

一般的に、IP等級が高い製品ほど価格は上がります。防水・防塵構造の設計や素材にコストがかかるためです。

IP等級家庭用防犯カメラの価格帯(目安)設置場所の目安
IP413,000〜8,000円屋内のみ
IP655,000〜15,000円軒下
IP668,000〜25,000円屋外一般
IP6710,000〜35,000円屋外(浸水リスクあり)
IP6815,000〜50,000円過酷な環境

※2026年2月時点の家庭用Wi-Fiカメラの参考価格帯です。業務用カメラは別途見積もりが必要です。

防犯設備士として一番伝えたいのは、必要以上に高いIP等級を追い求める必要はないということです。軒下設置ならIP65で十分ですし、IP67が必要な環境は浸水リスクがある特殊なケースに限られます。設置場所の環境条件を正確に把握し、過不足ないIP等級を選ぶことが、コストパフォーマンスの良い防犯カメラ選びにつながります。

ダミーカメラと本物カメラの費用比較も、予算に限りがある場合の参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. IP等級(IPコード)とは何ですか?

IP等級(IPコード)とは、IEC 60529で定められた電気機器の防塵・防水性能を示す国際規格です。「IP」の後に続く2桁の数字で、1桁目が防塵性能(0〜6)、2桁目が防水性能(0〜9)を表します。2026年1月のJIS改正でJIS C 60529に移行し、保護等級9が新設されました。

Q2. IP67とIP68ではどちらが上ですか?

防水性能に関してはIP68の方が上です。IP67は「水深1mに30分間沈めても浸水しない」、IP68は「メーカーが規定する水深・時間の条件で浸水しない」性能です。ただし試験条件が異なるため単純比較できない面もあります。防塵性能は両方とも最高等級の6(完全な防塵)で同じです。

Q3.「IPX5/IPX8」のように2つ表記があるのはなぜですか?

IPX5とIPX8では試験方法がまったく異なるためです。IPX5は噴流水試験、IPX8は水没試験で、IPX8をクリアしてもIPX5の噴流に耐えられるとは限りません。そのため両方の試験をクリアした製品は「IPX5/IPX8」のように2つ表記します。

Q4. IP65は雨に耐えられますか?防犯カメラは大丈夫?

IP65は「あらゆる方向からの噴流水に耐える」性能なので、通常の雨には十分耐えられます。軒下設置の防犯カメラならIP65で問題ありません。ただし台風のような暴風雨や、雨が直接吹き付ける場所に設置する場合はIP66以上を推奨します。

Q5. IP66とIP67の違いは何ですか?

IP66は「暴噴流(強い水圧の噴流)に耐える」性能、IP67は「水深1mに30分間沈めても浸水しない」性能です。IP66は水圧に強く屋外の厳しい環境向き、IP67は水没に強い設計です。屋外防犯カメラには雨風への耐性が重要なのでIP66が適しています。

Q6. 最強のIP69Kとはどんな規格ですか?

IP69Kは保護等級9に相当し、80℃の高温水を80〜100barの高圧で至近距離から噴射しても浸水しない最高レベルの防水性能です。2026年1月のJIS改正でJIS C 60529に正式に保護等級9として組み込まれました。主に食品工場や車両洗浄など高圧洗浄が必要な産業機器に使われています。

Q7. 「防水」と「耐水」はどう違いますか?

明確な規格上の定義の違いはありませんが、一般的に「防水」はIP規格に基づく性能を示し、「耐水」はメーカー独自の基準や日常的な水濡れへの耐性を指すことが多いです。防犯カメラや電子機器を選ぶ際は「耐水」ではなく、IP等級の数値で具体的な防水性能を確認するのが確実です。

Q8. IPXとIPの違いは何ですか?

「IPX」の「X」は防塵性能が未試験(テストしていない)という意味です。IPX7なら「防塵は未試験だが、防水は等級7」を示します。「X」は性能がないのではなく、その項目の試験を行っていないだけです。防塵性能も確認したい場合はIP67のように両方の数字が明記された製品を選んでください。

まとめ

IP等級は、防犯カメラやスマートフォンなどの防塵・防水性能を正しく理解するために欠かせない知識です。本記事の要点を振り返りましょう。

  • IP等級はIEC 60529 / JIS C 60529で定められた防塵・防水性能の国際規格
  • 「IP」の後の1桁目が防塵性能(0〜6)、**2桁目が防水性能(0〜9)**を表す
  • 2026年1月にJIS規格が23年ぶりに改正。JIS C 0920 → JIS C 60529に移行し、保護等級「9」が新設
  • 「X」は未試験の意味であり、性能がないわけではない
  • 屋外防犯カメラにはIP66以上を推奨。IK等級(耐衝撃性)もIK08以上が安心
  • IP等級の防水試験は常温の真水のみ。海水・温泉・経年劣化は保証対象外
  • IP等級は必要十分な等級を選ぶのがコストパフォーマンスのポイント

防犯カメラを選ぶ際は、IP等級だけでなく、設置場所の環境条件、IK等級(耐衝撃性)、そして予算のバランスを総合的に判断してください。防犯カメラの設置時は、防犯カメラと個人情報保護法のルールも確認しておくと安心です。

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