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インターホンとドアホンの違いとは?防犯視点の選び方完全ガイド

「インターホンとドアホン、何が違うの?」「そろそろ古いインターホンを交換したいけど、どれを選べばいいかわからない」——そんな疑問をお持ちではありませんか。

実は、空き巣犯が留守かどうかを確認する方法として最も多いのが「インターホンを鳴らす」で約46%を占めています。(出典:(財)都市防犯研究センター調査)つまり、インターホン・ドアホンは単なる来客対応の道具ではなく、防犯の最前線に立つ重要な設備なのです。

本記事では、防犯設備士の視点からインターホンとドアホンの違い、テレビドアホンの機能比較、防犯に強い選び方から設置費用まで徹底解説します。「用語の違いがわかる」だけでなく「防犯に最適な1台を選べる」ところまで、この1記事で完結する内容です。

インターホンとドアホンの違いとは

インターホンとドアホンは似た意味で使われがちですが、厳密には役割が異なります。まずは用語の違いを整理しましょう。

インターホン=建物内の通話機器

インターホン(intercom / interphone)は、建物内の異なる部屋や場所の間で通話するための機器です。もともとはオフィスの内線電話や、マンションのエントランスと各住戸をつなぐ通話システムとして使われていました。

つまり、インターホンの本来の意味は「建物の内部通話装置」です。玄関に限らず、1階と2階の間、受付と事務室の間など、離れた場所同士をつなぐ通信機器全般を指します。

ドアホン=玄関訪問者対応の専用機器

ドアホン(doorphone)は、玄関ドアの外側に設置する子機と、室内に設置する親機のセットで構成される機器です。訪問者がボタンを押すと室内の親機が鳴り、会話ができます。

ドアホンはインターホンの一種ですが、「玄関の訪問者対応」に特化している点が特徴です。日常会話では「インターホン」と「ドアホン」はほぼ同じ意味で使われることが多く、家電量販店でもどちらの名称でも同じ売り場で販売されています。

テレビドアホン=映像付きドアホンが現在の主流

テレビドアホンは、玄関子機にカメラ、室内親機にモニターを搭載したドアホンです。訪問者の顔を映像で確認してから応答できるため、不審者への対応や防犯効果が大幅に向上します。

現在の一般住宅向けドアホン市場では、テレビドアホンが主流で、国内市場は年間約150万台が出荷されています。パナソニックとアイホンの2社で市場の9割以上を占めています。(出典:リフォームオンライン

チャイムとの違い

チャイムは、ボタンを押すと「ピンポン」と音が鳴るだけの最もシンプルな呼び出し機器です。通話機能はありません。

機器通話機能映像機能録画機能防犯効果
チャイム×××低い
インターホン(音声のみ)××やや低い
ドアホン(音声のみ)××やや低い
テレビドアホン○(機種による)高い

防犯の観点では、チャイムや音声のみのインターホンを使っている場合、テレビドアホンへの交換を強くおすすめします。

  • インターホン: 建物内の通話機器(広い意味)
  • ドアホン: 玄関の訪問者対応に特化した通話機器
  • テレビドアホン: カメラ+モニター付きのドアホン(現在の主流)
  • 日常的にはインターホン=ドアホンとして使われることが多い

テレビドアホンの種類と主要機能

テレビドアホンにはさまざまな機能がありますが、まずは電源方式の違いを理解することが製品選びの第一歩です。

電源方式で選ぶ3つのタイプ

電源方式特徴工事の要否価格帯おすすめの人
電池式(ワイヤレス)配線不要、取り付け簡単不要(DIY可)5,000〜20,000円賃貸、手軽に設置したい方
電源コード式ACアダプターで給電不要(DIY可)8,000〜30,000円既存機器からの交換
電源直結式壁内配線から直接給電電気工事士が必要15,000〜50,000円新築・リフォーム時

電源直結式の交換には電気工事士の資格が必要です。無資格での工事は電気工事士法違反となるため、必ず専門業者に依頼してください。現在のドアホンの電源方式がわからない場合は、室内親機の裏側を確認するか、取扱説明書で確認しましょう。(出典:アイホン - インターホン・テレビドアホンQ&A

録画機能(留守中の訪問者を記録)

録画機能付きのテレビドアホンは、来訪者がボタンを押した瞬間に自動で写真や動画を記録します。留守中に「誰が来たか」を後から確認できるため、不審者の特定や空き巣の下見行動の証拠保全に役立ちます。

録画方式は主に以下の2種類です。

  • 静止画録画: 呼び出し時に1〜3枚の静止画を自動保存。多くの機種に標準搭載
  • 動画録画: 呼び出し前後の映像を動画で記録。上位機種に搭載されることが多い

スマホ連携(外出先からの応答)

スマホ連携対応のテレビドアホンは、外出先でもスマートフォンで来訪者を確認し、通話できます。宅配便の対応や不審者の確認が外出中でも可能になるため、防犯と利便性の両面で大きなメリットがあります。

Wi-Fi接続で自宅のドアホンとスマートフォンを連携させる方式が主流です。IoT防犯の入門機器としても注目されています。

ワイヤレス子機(広い家でも対応)

ワイヤレス子機(モニター子機)は、親機から離れた部屋でも来訪者を確認・応答できる追加モニターです。2階建ての住宅や、親機から離れたキッチン・寝室などに設置すると、呼び出し音が聞こえないストレスを解消できます。

広角カメラ・ナイトビジョン

最新のテレビドアホンは、広角レンズ(170°以上)を搭載し、玄関前の広い範囲をカバーします。また、LEDライトや赤外線による暗所撮影(ナイトビジョン)対応モデルなら、夜間の来訪者も鮮明に確認できます。

ボイスチェンジ機能

一部のテレビドアホンには、応答時の声を変えられる「ボイスチェンジ機能」が搭載されています。女性の声を男性の低い声に変換できるため、一人暮らしの女性の防犯対策として有効です。

【防犯設備士が解説】防犯視点で見るドアホンの重要性

ここからが、じぶん防犯ならではの切り口です。家電レビューサイトでは語られない、防犯設備士の専門知識に基づくドアホンの重要性を解説します。

空き巣犯の約46%がインターホンで在宅確認している

空き巣犯は犯行前に必ず「下見」を行います。その際、留守かどうかを確認する最も一般的な方法がインターホンを鳴らすことです。

(財)都市防犯研究センターの調査によると、空き巣犯が留守を確認する手段は以下の通りです。

留守確認の方法割合
インターホンで呼ぶ45.7%
動きを見張る20.0%
電話をかける5.7%
カーテンの閉まり具合を見る5.7%
郵便物の溜まり具合を見る5.7%

(出典:(財)都市防犯研究センター調査

つまり、インターホン・ドアホンは空き巣犯が最初に接触する「防犯の最前線」なのです。このデータを知ると、ドアホン選びが単なる家電選びではなく、防犯対策であることがわかります。

録画付きインターホンが空き巣を抑止する理由

録画機能付きのテレビドアホンが防犯に効果的な理由は、犯罪者の心理にあります。

空き巣犯は「顔を見られること」「証拠が残ること」を最も嫌います。警察庁の調査では、侵入に5分以上かかると約7割の犯罪者が犯行を諦めることがわかっています。(出典:警察庁「住まいる防犯110番」

録画付きドアホンは、以下の防犯効果があります。

  • 証拠保全: 犯人の顔や体格が映像に残り、警察への通報・捜査に活用できる
  • 心理的抑止: 「録画されている」と認識した犯罪者が犯行を断念する
  • 下見の記録: 犯行前の下見段階で不審者の映像を残せる

「録画中」表示の防犯効果

テレビドアホンの玄関子機に「録画中」「カメラ作動中」と表示されているだけで、犯罪者への抑止効果が生まれます。ダミーカメラの記事でも解説していますが、「見られている」という意識が犯行を思いとどまらせる大きな要因になります。

ただし、ダミーカメラと違い、テレビドアホンの録画機能は実際に映像を記録できるため、万が一の被害時にも証拠として活用できます。

防犯カメラ代わりになるテレビドアホンとは

最新のテレビドアホンの中には、防犯カメラに近い機能を持つモデルがあります。

  • 動体検知録画: 人の動きを検知して自動録画を開始
  • 広角レンズ: 170°以上の広角で玄関前を広範囲にカバー
  • ナイトビジョン: 夜間でも赤外線で鮮明な映像を記録
  • スマホ通知: 不審な動きを検知するとスマートフォンにアラート

ただし、テレビドアホンの撮影範囲は玄関前に限られます。敷地全体の防犯には、防犯カメラの設置PTZカメラとの併用を検討してください。

  • 空き巣犯の約46%がインターホンで在宅確認している
  • 録画機能付きドアホンは証拠保全と犯罪抑止の両方に効果的
  • 「録画中」表示だけでも心理的な抑止効果がある
  • 防犯カメラ代わりになる高機能モデルもあるが、本格的な防犯にはカメラとの併用がおすすめ

防犯機能で比較するドアホンの選び方

住居タイプや生活スタイルによって、重視すべき機能は異なります。防犯設備士の視点で、最適な選び方を解説します。

戸建て住宅の場合:重視すべき5つの機能

戸建て住宅は侵入経路が多いため、ドアホンの防犯機能をフルに活用することが重要です。令和6年(2024年)の侵入窃盗では、一戸建住宅が被害全体の29.0%で最多です。(出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」

優先度機能理由
1録画機能(動画)不審者の証拠を確実に残す
2広角カメラ玄関前の死角をなくす
3スマホ連携外出中でも来訪者を確認・対応
4ナイトビジョン夜間の不審者も鮮明に記録
5ワイヤレス子機2階や離れた部屋でも応答可能

空き巣の手口と対策で解説している通り、戸建ては特に玄関と窓が狙われます。ドアホンの防犯機能と合わせて、センサーライト防犯フィルムの導入も検討しましょう。

マンション・アパートの場合:交換時の注意点

マンションのインターホンは、オートロックや管理室のシステムと連動しているケースがほとんどです。そのため、個人で勝手に交換するとシステム全体に影響する可能性があります。

交換を検討する際のチェックポイントは以下の通りです。

  • 管理組合・管理会社に確認: 個人での交換が認められているか
  • 既存システムとの互換性: オートロック連動が維持されるか
  • 室内親機のみの交換: 玄関子機はそのままで、室内モニターだけを新しくできる場合もある

賃貸の場合は、原則として大家や管理会社の許可が必要です。許可が得にくい場合は、ドアスコープカバードアスコープカメラで補助的に防犯対策を行う方法もあります。

一人暮らし女性が選ぶべきドアホンの条件

一人暮らしの女性にとって、ドアホンは「ドアを開けずに対応できる」重要な防犯ツールです。

  • モニター付き(テレビドアホン): 訪問者の顔を確認してから応答を判断できる
  • 録画機能: 不審な訪問者の記録を残せる
  • ボイスチェンジ機能: 女性の声を男性の声に変換し、一人暮らしを悟らせない
  • スマホ連携: 在宅時でも「外出中を装って」スマホから応答できる

一人暮らし女性の防犯対策と合わせて、総合的な防犯環境を整えることが大切です。

既存の防犯設備との組み合わせ

テレビドアホンの防犯効果は、他の防犯設備と組み合わせることでさらに高まります。防犯の基本は「時間・光・音・目」の4原則です。

防犯設備ドアホンとの相乗効果
センサーライト不審者を照らし出し、ドアホンカメラの映像も鮮明に
サムターン回し対策玄関ドアの物理的な防犯を強化
防犯カメラドアホンでは死角になるエリアをカバー
補助錠(ワンドアツーロック)侵入に時間をかけさせ、犯行を断念させる

インターホン・ドアホンの設置方法と費用

テレビドアホンの設置には、DIYで対応できるケースと業者への依頼が必要なケースがあります。2026年2月時点の費用相場と合わせて解説します。

DIYで交換できるケースと条件

以下の条件をすべて満たす場合、DIYでの交換が可能です。

  • 電源方式: 電池式または電源コード式(ACアダプター式)
  • 配線: 既存の配線(2線式)をそのまま使える
  • チャイムからの交換: 既存のチャイム用配線が利用可能

作業時間の目安は30分〜1時間程度です。基本的な工具(プラスドライバー)があれば交換できます。

電気工事士への依頼が必要なケース

以下の場合は、電気工事士の資格を持つ業者への依頼が必要です。

  • 電源直結式のドアホンの交換
  • 新規配線の敷設が必要な場合(配線がない場所への設置)
  • 100Vの電源工事を伴う場合

無資格での電気工事は法律違反であり、感電や火災のリスクもあります。必ず専門業者に依頼してください。

設置・交換費用の相場

項目費用の目安
製品本体(電池式・シンプル)5,000〜10,000円
製品本体(録画・モニター付き)10,000〜30,000円
製品本体(スマホ連携・高機能)20,000〜50,000円
取り付け工事費(業者依頼)5,000〜15,000円
配線工事費(新規配線)10,000〜30,000円

※2026年2月時点の参考価格です

DIYで電池式モデルに交換すれば、5,000〜10,000円の本体価格のみで工事費はゼロです。費用を抑えたい場合は、電池式のテレビドアホンが最もコストパフォーマンスに優れています。

長期運用コスト(電池交換・メンテナンス)

購入時の価格だけでなく、長期的なランニングコストも確認しておきましょう。

項目コスト目安頻度
電池交換(電池式の場合)500〜1,000円半年〜1年に1回
クラウド録画サービス(対応機種)月額0〜500円毎月
故障時の修理・交換10,000〜30,000円10年に1回程度

インターホン工業会の基準では、一般住宅用インターホンの更新目安は約10年、集合住宅用は約15年です。(出典:アイホン公式)映像の乱れ、音声の不具合、ボタンの反応が悪いといった症状が出始めたら交換のサインです。

  • 電池式・電源コード式はDIYで交換可能、電源直結式は業者に依頼
  • DIYなら本体価格のみ(5,000〜10,000円〜)で工事費ゼロ
  • 電池式は半年〜1年に1回の電池交換が必要
  • インターホンの寿命は一般住宅用で約10年が目安

よくある質問(FAQ)

Q1. インターホンとドアホンの違いは何ですか?

インターホンは建物内の部屋間で通話するための機器で、ドアホンは玄関の訪問者と室内の住人が通話するための専用機器です。現在は両方の機能を兼ね備えた「テレビドアホン」が主流で、カメラ付きモニターで訪問者の顔を確認できます。日常的には「インターホン」と「ドアホン」はほぼ同じ意味で使われています。

Q2. テレビドアホンとは何ですか?

テレビドアホンとは、カメラ付きの玄関子機とモニター付きの室内親機がセットになったドアホンです。訪問者の顔を映像で確認してから応答でき、録画機能やスマホ連携機能を搭載したモデルも多くあります。防犯効果が高く、現在のドアホン市場の主流製品です。

Q3. インターホンは自分で交換できますか?

電池式や電源コード式(ACアダプター)のドアホンはDIYで交換可能です。ただし、電源直結式(壁の中に配線が埋め込まれているタイプ)の場合は電気工事士の資格が必要です。現在の電源方式がわからない場合は、室内親機の裏側や取扱説明書で確認しましょう。

Q4. ドアホンの寿命は何年くらいですか?

インターホン工業会の基準では、一般住宅用は約10年、集合住宅用は約15年が更新の目安です。設置から10年以上経過すると故障率が上がり、映像の乱れや音声の不具合が出やすくなります。不具合が出始めたら早めの交換をおすすめします。

Q5. インターホンの交換費用はいくらですか?

製品本体は5,000〜50,000円程度です。電池式のシンプルなモデルなら5,000〜10,000円、録画・スマホ連携付きの高機能モデルは20,000〜50,000円が目安です。業者に取り付けを依頼する場合の工事費は5,000〜15,000円程度。DIYなら本体価格のみで済みます。

Q6. 防犯カメラ代わりになるインターホンはありますか?

はい、最新のテレビドアホンには広角カメラ・ナイトビジョン・動体検知録画・スマホ通知などを搭載し、防犯カメラに近い機能を持つモデルがあります。ただし撮影範囲は玄関前に限られるため、敷地全体の防犯には専用の防犯カメラとの併用がおすすめです。

Q7. ワイヤレスドアホンのデメリットは?

主なデメリットは3つです。電波が壁や距離によって弱くなる場合がある、電池交換が必要(半年〜1年程度)、有線式と比べて映像品質がやや劣ることがある点です。ただし近年のモデルでは改善が進んでおり、一般家庭では十分な性能を発揮します。

Q8. マンションのインターホンは自分で交換できますか?

室内の親機のみの交換であれば可能な場合もありますが、マンションのインターホンはオートロックや管理室と連動しているケースが多く、個人での交換がシステムに影響する可能性があります。必ず管理組合や管理会社に確認してから進めてください。

まとめ:防犯に強いインターホン・ドアホンの選び方チェックリスト

インターホンとドアホンの違いは呼び名の差にすぎませんが、防犯設備としてのドアホン選びは住まいの安全を左右する重要な判断です。

  • インターホンとドアホンは呼び名が違うだけで、現在はテレビドアホンが主流
  • 空き巣犯の約46%がインターホンで在宅確認しており、防犯の最前線
  • テレビドアホンの録画機能は証拠保全と犯罪抑止の両方に効果的
  • 電源方式の確認が最初のステップ。電池式ならDIYで5,000円から交換可能
  • 戸建ては録画・広角・スマホ連携を重視、マンションは管理組合に要確認
  • 一人暮らし女性はボイスチェンジ機能付きが安心
  • 寿命は約10年。不具合が出始めたら早めの交換を
  • ドアホン+センサーライト補助錠の組み合わせで玄関の防犯力アップ

まずは自宅のインターホンの電源方式と設置年数を確認してみてください。10年以上前のモデルを使っている場合は、録画付きテレビドアホンへの交換だけで防犯レベルが大きく向上します。

自宅全体の防犯レベルが気になる方は、防犯診断チェックリストで弱点を把握するところから始めましょう。その他の防犯対策は「じぶん防犯」トップページからご覧いただけます。