貴重品の保管場所と防犯対策|防犯設備士が教える全知識【2026年版】
「通帳はタンスの引き出し、印鑑は机の中」——もしあなたがそうしているなら、泥棒にとってはまさに「宝の地図」を渡しているようなものです。
2024年の住宅対象の侵入窃盗は16,962件、1日あたり約46件もの被害が発生しています。(出典:警察庁「令和6年の犯罪情勢」)
本記事では、防犯設備士として10年以上の実務経験を持つ筆者が、貴重品の保管場所と防犯対策のすべてを徹底解説します。泥棒が狙うNG保管場所から、金庫の選び方、4階層保管戦略、デジタル資産の管理まで——この1記事で「貴重品の防犯」が完結する内容です。
【結論】この記事でわかること
- 泥棒が真っ先に探す「NG保管場所」7選 — あなたの隠し場所、バレています
- 貴重品を守る「3つの鉄則」 — 分散・分断・時間稼ぎで被害を最小化
- 金庫の正しい選び方 — 耐火と防盗の違い・JIS規格・メーカー比較
- デジタル時代の新しい貴重品管理 — マイナンバーカード・暗号資産・パスワード
- 4階層保管戦略&チェックリスト — 今日から実践できる貴重品管理の最適解
泥棒にバレている「NG保管場所」7選
「ここなら見つからないだろう」——その考えは甘いかもしれません。泥棒は住宅に侵入してからわずか数分で貴重品を探し当てるプロです。まずは、絶対に避けるべき保管場所を知りましょう。
泥棒が真っ先に探す場所リスト
空き巣が侵入後に真っ先にチェックする場所は、ほぼ決まっています。
- タンスの引き出し(特に上段) — 最も多くの人が通帳や印鑑をしまう定番の場所
- 仏壇・神棚 — 高齢者が現金や貴金属を保管する場所として泥棒に知られている
- 机の引き出し — 印鑑、通帳、鍵類をまとめて入れがち
- 本棚・本の間 — 「本に挟めばわからない」という発想は泥棒も熟知
- 冷蔵庫・冷凍庫の中 — 袋に入れた現金や通帳の隠し場所として有名
- 寝室のベッド周辺 — 枕の下、マットレスの間、ベッドサイドの引き出し
- 衣類のポケット・靴箱 — クローゼットの服のポケットや靴の中も対象
泥棒はこれらの場所を最初の5〜10分で網羅的にチェックします。ALSOKのアンケート調査でも、一般の方が貴重品を隠す場所の上位は「タンスの中」「机の引き出し」「本棚」であり、泥棒が探す場所と完全に一致しています。(出典:ALSOK「大事な物の隠し場所アンケート」)
日本の住宅侵入窃盗のリアル — 統計データで見る被害実態
貴重品の保管を見直すべき理由は、統計データが明確に示しています。
| 指標 | 数値(2024年) |
|---|---|
| 侵入窃盗の認知件数 | 43,036件 |
| うち住宅対象 | 16,962件(全体の約42%) |
| 1日あたりの住宅被害件数 | 約46件 |
| 無施錠による侵入の割合 | 約48〜51% |
※出典:警察庁「令和6年の犯罪情勢」
一戸建て住宅が最も狙われやすく、侵入手段の約半数は「無施錠」——つまり鍵のかけ忘れです。空き巣の手口と対策の記事でも解説していますが、施錠の徹底は防犯の基本中の基本です。
貴重品を守る「3つの鉄則」:分散・分断・時間稼ぎ
NG保管場所を避けた上で、貴重品を守るために実践すべき3つの基本原則があります。この「3つの鉄則」は、防犯設備士として多くのご家庭にアドバイスしてきた経験から導き出したフレームワークです。
鉄則1:分散 — 1か所にまとめない
貴重品を1か所にまとめて保管するのは最も危険です。泥棒にとって、1か所を見つければすべてを奪えるからです。
通帳、印鑑、現金、パスポート、権利書——これらを異なる場所に分散して保管することで、仮に一部が見つかっても全財産を失うリスクを大幅に減らせます。
鉄則2:分断 — 通帳と印鑑は絶対に別々に
通帳と印鑑をセットで盗まれると、銀行窓口で不正に預金を引き出されるリスクがあります。この2つは、必ず物理的に離れた別の場所に保管してください。
同様に、キャッシュカードと暗証番号のメモ、マイナンバーカードと暗証番号も、絶対に一緒に保管してはいけません。
鉄則3:時間稼ぎ — 5分で7割の泥棒が諦める
警察庁の調査によると、侵入に5分以上かかると約7割の犯罪者が諦め、10分以上かかるとほぼ全員が断念します。(出典:警察庁「住まいる防犯110番」)
金庫に入れる、鍵付きの引き出しにしまう、開けにくい場所に保管する——「たった5分」の時間を稼ぐ工夫が、貴重品を守る決定的な差になります。防犯の4原則で解説している「時間・光・音・目」の考え方と組み合わせると、より強固な防犯体制を構築できます。
一人暮らし・賃貸でもできる保管の工夫
「賃貸だから金庫を固定できない」「一人暮らしで保管場所が限られる」——そんな方でも実践できる工夫があります。
- 穴あけ不要の小型金庫 — 家具の脚にワイヤーで固定するタイプなら賃貸でもOK
- 鍵付き収納ボックス — ホームセンターで2,000〜5,000円程度で購入可能
- 見せかけの日用品型金庫 — 本型や缶型など、日用品に擬態した隠し金庫も選択肢
- デジタル化の活用 — 通帳はネットバンキングに切り替え、物理的な通帳をなくす
- 貸金庫の活用 — 不在時間が長い一人暮らしの方には特におすすめ
詳しくは一人暮らし・賃貸の貴重品防犯対策で、間取り別シミュレーションや予算別プランを紹介しています。賃貸でもワンドアツーロックや窓用補助錠と組み合わせれば、住まい全体の防犯力を高められます。
「捨て金」テクニック — 泥棒の腹いせを防ぐ
防犯のプロが教える実践テクニックの一つが「捨て金(おとり金)」です。
あえて泥棒が見つけやすい場所に数千円〜1万円程度の現金を置いておくことで、泥棒に「見つけた」と思わせ、それ以上の捜索を打ち切らせる効果があります。また、何も見つからなかった場合の腹いせ(家財の破壊、放火など)を防ぐ効果も期待できます。
家庭用金庫の選び方・使い方 完全ガイド
貴重品の保管において、家庭用金庫は最も信頼できる選択肢の一つです。しかし、金庫であれば何でも良いわけではありません。正しい知識で選ぶことが重要です。具体的な商品比較は家庭用金庫おすすめ比較|目的別ベストで詳しく解説しています。
「耐火金庫」と「防盗金庫」の決定的な違い
金庫を選ぶ際にまず理解すべきは、「耐火」と「防盗」はまったく別の性能だということです。
| 種類 | 目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| 耐火金庫 | 火災から中身を守る | 庫内温度を177℃以下に保つ(紙が燃えない温度)。ただし防盗性能は限定的 |
| 防盗金庫 | 盗難から中身を守る | 工具での破壊・こじ開けに耐える構造。重量があり持ち去りにくい |
| 耐火防盗金庫 | 火災+盗難の両方 | 両方の性能を兼ね備えた最上位モデル。価格は高めだが最も安心 |
「耐火金庫=泥棒に強い」は誤解です。一般的な耐火金庫はバールやドリルで比較的短時間に破壊できてしまいます。防犯目的で金庫を購入するなら、必ず「防盗性能」があるものを選びましょう。
JIS規格で安全性を見極める方法
金庫の品質を客観的に判断する基準が「JIS規格」です。
耐火性能(JIS S 1037):
| 等級 | 耐火時間 | 庫内温度基準 | 用途の目安 |
|---|---|---|---|
| 0.5時間耐火 | 30分 | 177℃以下 | 一時的な書類保管 |
| 1時間耐火 | 60分 | 177℃以下 | 家庭用として一般的 |
| 2時間耐火 | 120分 | 177℃以下 | 事業用・長時間耐火が必要な場合 |
177℃という基準は、紙が自然発火する温度(約230℃)を下回る温度に設定されています。つまり、この基準を満たす金庫であれば、火災時に中の書類や通帳が燃えることはありません。
防盗性能(JIS S 1037): 防盗金庫は、工具を使った破壊テストに耐える時間で等級が決まります。15分耐火防盗(TS-15)以上の製品を選ぶのが目安です。
ロック方式4タイプの特徴と選び方
家庭用金庫のロック方式は大きく4つに分かれます。ライフスタイルに合わせて選びましょう。
| ロック方式 | セキュリティ | 利便性 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ダイヤル式 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | 中〜高 | 電池不要で長期間使える。操作に慣れが必要 |
| テンキー式 | ★★★★☆ | ★★★★★ | 中〜高 | 暗証番号で手軽に開閉。電池交換が必要 |
| シリンダー式 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 低〜中 | 鍵で開けるシンプルなタイプ。鍵の管理が重要 |
| 指紋認証式 | ★★★★★ | ★★★★☆ | 高 | 生体認証で最も安全。電池切れ時のバックアップ鍵が必要 |
おすすめはテンキー式+シリンダー式のダブルロックです。利便性とセキュリティのバランスに優れ、家庭用として最も実用的です。
金庫は「固定」が命 — 置いただけでは無意味
固定されていない金庫は、泥棒にとって「重い箱」でしかありません。小型の金庫は丸ごと持ち去られるケースが後を絶ちません。
金庫の固定方法は主に2つです。
- アンカーボルト固定 — 床や壁にボルトで固定する最も確実な方法。コンクリート床に最適
- ワイヤー・チェーン固定 — 家具や構造物に太いワイヤーで繋ぐ方法。賃貸にも対応可能
最低でも30kg以上の金庫を選び、必ず固定してください。100kg以上の据え置き型であれば、固定なしでも持ち去りは困難です。
防犯設備士が推薦する金庫メーカー
家庭用金庫を選ぶ際の参考として、信頼性の高いメーカーを紹介します。
| メーカー | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| ダイヤセーフ | 国内最大手。耐火金庫のパイオニア | 品質・アフターサービスが安定。法人利用も多い |
| エーコー(EIKO) | 幅広いラインナップ | 家庭用から業務用まで豊富な選択肢 |
| 日本アイエスケイ(King CROWN) | コストパフォーマンスに優れる | 家庭用金庫の入門モデルが充実 |
| セントリー(Sentry Safe) | 米国ブランド。世界シェア上位 | デザイン性が高く、指紋認証モデルが人気 |
金庫の価格帯と選び方の目安
家庭用金庫の価格帯は、サイズと性能によって大きく異なります。2026年2月時点の目安です。
| 分類 | 価格帯 | 容量目安 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| 小型耐火金庫 | 1万〜3万円 | A4サイズ程度 | 通帳・印鑑だけ守りたい方 |
| 中型耐火金庫 | 3万〜8万円 | A4ファイル数冊分 | 書類・パスポートも保管したい方 |
| 耐火防盗金庫 | 10万〜30万円 | A4〜B4対応 | 防犯を重視したい方(推奨) |
| 大型据え置き金庫 | 30万円〜 | 大容量 | 貴金属・高額品の保管が必要な方 |
防犯目的であれば、耐火防盗金庫(10万円台〜)が最も費用対効果が高い選択肢です。「耐火だけ」の金庫はバールで簡単に破壊されるリスクがある点を覚えておきましょう。
貸金庫のメリット・デメリットと活用法
自宅に保管しきれない高額品や、替えのきかない重要書類の保管先として「貸金庫」という選択肢があります。銀行別の費用比較や契約手順は貸金庫の費用比較|銀行別料金・メリット・選び方で詳しくまとめています。
貸金庫のメリット:究極のセキュリティ
貸金庫は銀行の厳重なセキュリティ環境で保管されるため、自宅保管と比べて圧倒的な安全性を誇ります。
- 24時間監視体制 — 銀行の警備システムで常時保護
- 耐火・耐震構造 — 地震や火災からも貴重品を守る
- 自宅のリスクから切り離せる — 空き巣・水害・火災のリスクをゼロにできる
- プライバシーの確保 — 中身は銀行員にも見えない(※後述の注意点あり)
見落としがちなデメリットと入れてはいけないもの
貸金庫には意外と知られていないデメリットもあります。
- 営業時間内しかアクセスできない — 緊急時にすぐ取り出せない
- 災害時のアクセス制限 — 銀行が被災すると長期間利用不可になる可能性
- 預金保険の対象外 — 貸金庫の中身は銀行が破綻しても補償されない
- 現金の保管が禁止・制限されるケースも — みずほ銀行は2026年より現金保管不可に
また、2024年に発覚した三菱UFJ銀行の元行員による貸金庫窃盗事件(被害額約17億円)は、「貸金庫は絶対に安全」という神話を覆しました。銀行を過信せず、貸金庫に入れた貴重品のリスト(写真付き)を自宅で別途管理しておくことを強くおすすめします。
貸金庫に入れてはいけないもの:
- 現金(銀行の規約で禁止されていることが多い)
- 危険物・違法物
- 腐敗するもの(食品等)
- 遺言書(単独では開封できず、家庭裁判所の検認が必要になる場合がある)
貸金庫の費用目安と契約方法
2026年2月時点の貸金庫の費用目安です。
| サイズ | 年間費用の目安 | 保管できるもの |
|---|---|---|
| 小型(名刺〜A5サイズ) | 約2万〜3万円 | 通帳、印鑑、宝石類 |
| 中型(A4サイズ) | 約3万〜5万円 | 上記+パスポート、権利書 |
| 大型(B4以上) | 約5万〜8万円以上 | 上記+貴金属、美術品 |
※銀行・支店によって料金は異なります。口座開設が必要で、審査がある場合もあります。
デジタル時代の貴重品管理 — マイナンバーカード・パスワード・暗号資産
従来の「通帳・印鑑・現金」に加え、デジタル時代には新しい種類の「貴重品」を管理する必要があります。
マイナンバーカードの安全な保管方法
2024年12月の健康保険証との一体化により、マイナンバーカードの重要性と保管ニーズが急増しています。保管場所・紛失対策・悪用リスクについてはマイナンバーカードの保管場所と紛失対策で詳しく解説しています。
- 暗証番号とカードは絶対に別々に保管する — セットで盗まれると被害が甚大
- 日常使いする場合 — 財布とは別のカードケースに入れて携帯。紛失リスクを最小化
- 使わない場合 — 金庫や鍵付きの引き出しに保管。「4階層保管戦略」の第2〜3層に該当
- 万が一紛失したら — すぐにマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に連絡し、カード機能の一時停止を依頼
パスワード・ログイン情報の管理
ネットバンキング、証券口座、各種サービスのパスワードも「デジタル貴重品」です。
- パスワードマネージャーの利用 — 1Password、Bitwardenなどの専用ツールで一元管理が最も安全
- マスターパスワードの保管 — パスワードマネージャーのマスターパスワードは紙に書き、金庫に保管
- 二要素認証の有効化 — 重要なアカウントは必ず二要素認証を設定
- パスワードの使い回し禁止 — 1つのサービスが漏洩すると、全アカウントが危険に
暗号資産(リカバリーキー)の保管
暗号資産(仮想通貨)を保有している方は、リカバリーキー(シードフレーズ)の保管が最重要課題です。
リカバリーキーを紛失すると、保有する暗号資産に永久にアクセスできなくなります。デジタルデータとしてパソコンやスマホに保存するのは厳禁です。ハッキングや端末の故障で失われるリスクがあります。
推奨される保管方法:
- 紙に手書きし、耐火金庫に保管(コピーを2部作成し、別の場所にも保管)
- ステンレス製のリカバリープレートに刻印(火災にも耐える)
- 貸金庫に1部を保管(バックアップとして)
デジタル遺品 — 家族に伝えるべき情報
万が一のとき、家族がデジタル資産にアクセスできなくなるケースが増えています。以下の情報を整理し、信頼できる家族に伝える方法を準備しておきましょう。
- ネットバンキングのID・パスワード(またはアクセス方法)
- 証券口座・暗号資産のアクセス情報
- サブスクリプションサービスの一覧
- SNS・メールアカウントの取り扱い方針
情報をまとめた書面は金庫に保管し、その存在を家族に伝えておくことが重要です。具体的な手順やチェックリストはデジタル終活ガイド|パスワード・暗号資産・サブスクを家族に残す方法で詳しく解説しています。家族の防犯ルールの一つとして、定期的な確認と更新をおすすめします。
あなただけの貴重品管理戦略:4階層セキュリティ&チェックリスト
これまでの知識を踏まえ、貴重品を体系的に管理するための「4階層保管戦略」をご紹介します。これは防犯設備士としての経験から構築した、どなたにも実践できるフレームワークです。
4階層の保管戦略
貴重品をセキュリティレベルで4つの層に分け、それぞれに最適な保管場所を割り当てます。
| 層 | セキュリティレベル | 保管場所 | 保管するもの |
|---|---|---|---|
| 第1層 | 日常携帯 | 財布・カードケース | キャッシュカード、クレジットカード、保険証(マイナンバーカード) |
| 第2層 | 準セキュリティ | 鍵付き引き出し・小型金庫 | 通帳、印鑑(別々に保管)、パスポート、年金手帳 |
| 第3層 | 高セキュリティ | 耐火防盗金庫(固定) | 権利書、高額貴金属、暗号資産リカバリーキー、重要契約書 |
| 第4層 | 最高セキュリティ | 銀行の貸金庫 | 替えのきかない宝石・美術品、高額債券、予備のリカバリーキー |
すべての貴重品を同じ層に置かないことが最大のポイントです。各層に分散することで、一つの層が破られても全損失を防げます。
貴重品別・保管場所マトリクス
具体的にどの貴重品をどこに保管すべきか、一覧表にまとめました。
| 貴重品 | 推奨保管層 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通帳 | 第2〜3層 | 印鑑とは必ず別の場所に |
| 実印 | 第2〜3層 | 通帳・権利書とは別の場所に |
| 銀行印 | 第2層 | 通帳と同じ場所は厳禁 |
| キャッシュカード | 第1層 | 暗証番号のメモとは別に携帯 |
| クレジットカード | 第1層 | 不要なカードは第2層に保管 |
| パスポート | 第2〜3層 | 有効期限を定期的に確認 |
| マイナンバーカード | 第1〜2層 | 暗証番号は別管理。日常使いなら第1層 |
| 権利書・登記識別情報 | 第3〜4層 | 再発行に時間がかかるため厳重に |
| 宝石・貴金属 | 第3〜4層 | 写真とリストを別途作成しておく |
| 暗号資産リカバリーキー | 第3層(+第4層にバックアップ) | 紙に手書き。デジタル保存は厳禁 |
| パスワード管理情報 | 第3層 | マスターパスワードを紙で金庫に |
| 保険証券 | 第2〜3層 | コピーを別の場所にも保管推奨 |
災害時の貴重品持ち出し — 優先順位リスト
地震や水害などの災害時には、すべての貴重品を持ち出す時間はありません。事前に優先順位を決めておきましょう。
緊急持ち出し優先順位(上から順に):
- 身分証明書類 — マイナンバーカード、運転免許証、保険証
- 現金・キャッシュカード — 停電時はATMが使えないため現金も重要
- 通帳・印鑑 — 銀行での手続きに必要
- 常備薬・お薬手帳 — 健康に直結するもの
- 権利書・保険証券のコピー — 原本は金庫に。コピーを持ち出し袋に
防災用の持ち出し袋に、上記のコピーと最低限の現金を常備しておくことをおすすめします。30秒・3分・10分の時間別判断フローや貴重品の二重化戦略については災害時の貴重品持ち出しガイドで詳しく解説しています。長期休暇の防犯対策と合わせて、日頃から準備しておきましょう。
もし貴重品を盗まれたら — 緊急時の対処手順
万が一、空き巣被害に遭い貴重品が盗まれた場合は、冷静かつ迅速な対応が被害拡大を防ぎます。
通帳・キャッシュカードの盗難時
- 警察に被害届を提出 — まず110番通報。被害届の受理番号を控える
- 銀行に連絡 — 口座の利用停止(凍結)を依頼。盗難届の受理番号を伝える
- 通帳・カードの再発行手続き — 銀行窓口で本人確認書類を持参して手続き
- 口座の取引履歴を確認 — 不正な引き出しがないかチェック
印鑑(実印・銀行印)の盗難時
- 警察に被害届を提出
- 印鑑登録の廃止届 — 市区町村役場で速やかに手続き。新しい印鑑で再登録
- 銀行届出印の変更 — すべての取引銀行で届出印の変更手続きを行う
- 不動産登記の確認 — 実印が悪用されていないか法務局で確認
マイナンバーカードの紛失・盗難時
- マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に連絡 — カード機能の一時停止
- 警察に届出
- 市区町村役場で再発行手続き — 再発行には1〜2か月程度かかる
- マイナポータルで利用履歴を確認 — 不正利用の有無をチェック
盗難被害全般の対応について詳しくは、警察相談ダイヤル#9110も活用してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 貴重品を家のどこに保管するのが一番安全ですか?
最も安全なのは防盗性能のある金庫に入れ、床や壁に固定することです。日常使う貴重品は「3つの鉄則(分散・分断・時間稼ぎ)」に従い、泥棒が探しにくい場所に分けて保管しましょう。高額品や替えのきかない書類は貸金庫の利用も検討してください。
Q2. 泥棒が最初に探す場所はどこですか?
タンスの引き出し(特に上段)、仏壇・神棚、本棚の裏、冷蔵庫の中、寝室のベッド周りが定番です。泥棒はこれらの場所を数分以内にチェックするため、これらの場所に貴重品を保管するのは避けましょう。
Q3. 通帳と印鑑を一緒に保管するとなぜ危険なのですか?
通帳と印鑑がセットで盗まれると、窓口で不正に預金を引き出される恐れがあります。必ず別々の場所に保管し、万が一片方が盗まれても被害を最小限に抑えられるようにしましょう。
Q4. 家庭用金庫は本当に安全ですか?選び方のポイントは?
防盗性能のある金庫を床や壁に固定すれば高い安全性を確保できます。選ぶポイントは、①耐火と防盗の違いを理解する、②JIS規格で性能を確認する、③30kg以上の製品を選び必ず固定する、の3点です。
Q5. 貸金庫の費用はいくらくらいですか?
銀行の貸金庫は年間2万〜6万円程度が相場です。サイズや銀行によって異なり、大型になると年間8万円以上かかる場合もあります。口座開設が必要で、審査がある銀行もあります。
Q6. マイナンバーカードはどこに保管すべきですか?
日常的に使わない場合は、暗証番号のメモとは別の場所に保管してください。金庫や鍵付きの引き出しが理想的です。健康保険証として日常使いする場合は、財布とは別のカードケースに入れて携帯しましょう。
Q7. 一人暮らし・賃貸の場合の貴重品管理はどうすればいいですか?
穴あけ不要の小型金庫(家具にワイヤーで固定するタイプ)や鍵付きの収納ボックスが有効です。通帳と印鑑は別々の場所に保管し、不在時間が長い方は貸金庫の利用も検討してください。
Q8. 空き巣に通帳を盗まれた場合、どう対処すればいいですか?
まず警察に被害届を出し、すぐに銀行に連絡して口座の利用停止手続きを行ってください。印鑑も盗まれた場合は市区町村役場で印鑑登録の廃止届を提出します。キャッシュカードやクレジットカードはカード会社に連絡して利用停止してください。
まとめ — 「不安」から「安心」へ
貴重品の防犯は、正しい知識と少しの工夫で大きく改善できます。この記事で解説した内容を、ぜひ今日から実践してください。
- NG保管場所を避ける — タンス、仏壇、冷蔵庫は泥棒の「定番チェックポイント」
- 3つの鉄則を守る — 分散・分断・時間稼ぎで被害を最小化
- 金庫は「防盗性能+固定」がセット — 耐火だけでは不十分。必ず固定する
- デジタル貴重品も管理する — マイナンバーカード、パスワード、暗号資産も防犯対象
- 4階層保管戦略で体系化する — 日常携帯→準セキュリティ→高セキュリティ→最高セキュリティ
- 貸金庫も万能ではない — 中身のリストを自宅で別途管理しておく
- 盗難時の対処手順を知っておく — 冷静な初動対応が被害拡大を防ぐ
「正しい知識が最強の武器」——防犯設備士として、これだけはお伝えしたいメッセージです。貴重品の保管を見直すことは、家族の安心を守ることに直結します。
防犯対策の全体像は「じぶん防犯」トップページで確認できます。空き巣の侵入手口と対策については空き巣の手口と対策 完全ガイド、犯罪統計から見る防犯の実態は防犯統計データで見る日本の治安も合わせてご覧ください。