じぶん防犯

【2026年版】SNS防犯ガイド|防犯のプロが教える鉄壁の対策術

「自分のSNSは安全に使えている?」——そう思っていても、実は大きなリスクを見落としているかもしれません。

警察庁の統計によると、SNSに起因する犯罪の被害児童数は年間1,486人にのぼり、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害額は2024年だけで約1,259億円に達しています。(出典:警察庁「令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺」

本記事では、防犯設備士として10年以上の実務経験を持つ筆者が、SNSの危険から身を守るための実践的な対策を徹底解説します。身バレ防止の設定方法から、AI時代の新しい脅威、急増するSNS詐欺の見分け方、子どものSNS安全ガイドまで——この1記事でSNS防犯の全体像が把握できる内容です。

【結論】SNS防犯の5つの基本原則

まず結論からお伝えします。SNSを安全に使うために、以下の5つの基本原則を守ってください。

  1. 位置情報をオフにする — カメラアプリとSNSアプリの位置情報を無効化し、写真から自宅や行動範囲が特定されるリスクをゼロにする
  2. 公開範囲を限定する — 投稿は「友達のみ」に設定し、不特定多数への公開を避ける
  3. 二要素認証(2FA)を設定する — すべてのSNSアカウントで2FAを有効にし、乗っ取りを防ぐ
  4. 投稿前に「身バレチェック」をする — 写真の背景、テキストの個人情報、行動パターンの漏洩がないか確認する
  5. 不審なDM・リンクを開かない — 知らない相手からのメッセージや投資勧誘には一切応じない
  • この5原則を徹底するだけで、SNSに関連する犯罪被害の大半を予防できます
  • 設定は一度行えば継続的に効果を発揮します。今すぐ実行しましょう
  • 以下のセクションで各原則の具体的な設定手順と根拠を詳しく解説します

はじめに:あなたのSNSは大丈夫?防犯のプロからのメッセージ

こんにちは、防犯設備士の守です。普段は住宅や施設の防犯設備を手がけていますが、近年、ご相談で最も増えているのが「SNSに関連するトラブル」です。

SNSは友人との交流や情報収集に欠かせないツールですが、使い方を誤ると深刻な犯罪被害につながります。警察庁「令和6年の犯罪情勢」によると、SNSに起因する事犯の被害児童数は1,486人で、その約9割がフィルタリングを利用していませんでした。(出典:警察庁「令和6年の犯罪情勢」

さらに2024年以降、AI技術の悪用によるディープフェイクやSNS型投資詐欺など、新たな脅威が急速に拡大しています。

この記事では、防犯のプロの視点から、SNSの3大脅威——「身バレ(個人特定)」「アカウント乗っ取り・なりすまし」「SNS型詐欺」——への具体的な対策を、プラットフォーム別の設定手順付きで解説します。「正しい知識が最強の武器」です。一緒にSNS防犯を始めましょう。

見えない脅威「身バレ」— あなたの投稿はここまで見られている

SNSの最大のリスクの一つが「身バレ」です。何気ない投稿から、住所や職場、行動パターンが特定されるケースが後を絶ちません。

特定の手口:デジタル探偵はこうしてあなたを見つけ出す

悪意のある人物は、パズルのピースを集めるようにあなたの断片的な情報を組み合わせます。ネット上には「特定屋」と呼ばれる存在もおり、Google画像検索やSNSの横断検索といった一般的なツールだけで個人を特定できてしまうのが現実です。

写真から特定する手口

Exifデータ(ジオタグ)の罠

スマートフォンで撮影した写真には、撮影日時や撮影場所の緯度経度を記録する「Exifデータ」が含まれています。位置情報の設定をオンにしたまま撮影した写真をそのまま共有すると、自宅や職場の場所がピンポイントで特定される危険性があります。

主要なSNS(X、Instagram、Facebook等)は投稿時にExifデータを自動的に削除する仕組みがありますが、メールやクラウドストレージ、一部のメッセージアプリで共有した場合はExifデータがそのまま残ることがあります。

背景の写り込み

Exifデータを削除していても、写真の背景から場所が特定されるケースがあります。過去には、アイドルの瞳に映った景色から最寄り駅を特定し、ストーカー行為に及んだ事件が実際に発生しました。

以下のような「手がかり」が背景に写り込んでいないか、常に注意してください。

手がかり特定リスク
看板・店名所在地がすぐに判明する
マンホールの蓋自治体名から地域が特定される
電柱の住所表示番地レベルで特定される
窓からの風景・建物Google ストリートビューで照合される
自動販売機の反射周囲の建物や道路が映り込む
制服・ユニフォーム学校名・勤務先が特定される

テキストや行動から特定する手口

写真だけではありません。テキストの投稿にも多くの個人情報が含まれています。

  • 行動パターンの漏洩 — 「毎朝7時に近所をランニング」「駅前のカフェでリモートワーク中」といった投稿は、行動パターンをストーカーに教えるのと同じです
  • リアルタイム投稿の危険 — 「今から旅行!」という投稿は、自宅が留守であることを公言しているようなもので、空き巣を招くリスクがあります
  • 複数の断片情報の蓄積 — 個々の投稿は無害でも、長期間の投稿を時系列で追うと、自宅の最寄り駅、通勤ルート、家族構成まで推定されてしまいます

身バレを防ぐための具体的な設定と習慣

①スマートフォンの位置情報をオフにする(iPhone/Android)

iPhoneの設定手順:

  1. 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」を開く
  2. 「位置情報サービス」を選択
  3. 「カメラ」を選択し「なし」にチェック
  4. 各SNSアプリも同様に「なし」または「使用中のみ」に設定

Androidの設定手順:

  1. カメラアプリを開き、設定(歯車マーク)をタップ
  2. 「位置情報タグ」「GPSタグ」をオフにする
  3. 「設定」→「アプリ」→ 各SNSアプリ → 権限 →「位置情報」を「許可しない」に設定

②投稿前の「指差し確認」チェックリスト

投稿ボタンを押す前に、以下の項目を必ず確認してください。

チェック項目確認内容
位置情報カメラの位置情報設定はオフになっているか?
背景看板・建物名・住所表示などが写り込んでいないか?
人物写っている人の掲載許可を得ているか?
テキスト行動パターン・地名・具体的な時間情報は含まれていないか?
公開範囲意図した範囲(友達のみ等)に設定されているか?
リアルタイム性今の居場所が特定される投稿になっていないか?

③SNSの公開範囲を限定する

すべてのSNSアカウントで公開範囲を「友達のみ」「フォロワーのみ」に設定してください。不特定多数に情報を公開する必要がない限り、非公開(鍵)アカウントの利用を強く推奨します。

④アカウントの「断片化」を意識する

複数のSNSを利用している場合、アカウント名・プロフィール写真・自己紹介文を統一していると、すべてのアカウントが紐付けられます。各SNSで異なるプロフィールを使用し、アカウント群を容易に結びつけられないようにしましょう。

【プラットフォーム別】プライバシー設定 完全ガイド

身バレ防止のため、主要SNSのプライバシー設定を見直しましょう。2026年2月時点の設定手順です。

X(旧Twitter)のプライバシー設定:

  • 「設定とプライバシー」→「プライバシーと安全」→「オーディエンスとタグ付け」→「ツイートを非公開にする」をオン
  • 「見つけやすさと連絡先」→ メールアドレス・電話番号での検索をオフ
  • 「位置情報」→ 位置情報をツイートに追加をオフ

Instagramのプライバシー設定:

  • 「設定とプライバシー」→「アカウントのプライバシー」→「非公開アカウント」をオン
  • 「設定とプライバシー」→「他の人があなたとやり取りできる方法」→ メッセージ受信設定を制限
  • ストーリーズの公開範囲を「親しい友達」に限定

TikTokのプライバシー設定:

  • 「設定とプライバシー」→「プライバシー」→「非公開アカウント」をオン
  • 「おすすめ表示」→「あなたのアカウントを他の人におすすめ表示する」をオフ
  • 「ダウンロード」→ 動画のダウンロードを許可しない

LINEのプライバシー設定:

  • 「設定」→「プライバシー管理」→「IDによる友だち追加を許可」をオフ
  • 「友だち」→「友だち自動追加」「友だちへの追加を許可」をオフ
  • 「タイムライン・VOOM」→ 公開範囲を「友だちのみ」に限定

「私じゃない!」— アカウント乗っ取り・なりすまし撃退法

身バレと並ぶSNSの大きな脅威が、アカウントの乗っ取りとなりすましです。IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」でも「インターネット上のサービスへの不正ログイン」が上位に挙げられています。(出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」

攻撃を未然に防ぐ「デジタル要塞」の築き方

①パスワード管理の鉄則

パスワードはアカウントを守る最初の壁です。以下のルールを必ず守ってください。

パスワードの条件詳細
文字数最低12文字以上(16文字以上を推奨)
文字種大文字・小文字・数字・記号を組み合わせる
使い回し禁止すべてのサービスで異なるパスワードを設定する
避けるべきもの自分の名前、生年月日、「123456」「password」等の推測しやすい文字列

複雑なパスワードを覚えきれない場合は、パスワードマネージャーの利用を推奨します。マスターパスワード1つだけを記憶すれば、各サービスのパスワードを自動生成・安全に保管できます。

代表的なパスワードマネージャー:

  • 1Password — 有料(月額約400円〜)。使いやすさと機能性のバランスが良い
  • Bitwarden — 無料プランあり。オープンソースで透明性が高い
  • Apple/Google標準 — iPhone・Android標準のパスワード管理機能。追加費用なしで利用可能

②最強の盾「二要素認証(2FA)」を必ず設定する

二要素認証(2FA)は、パスワード漏洩時の最後の砦です。IDとパスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなどの「所持情報」を組み合わせることで、本人確認を二重化します。

パスワードが漏洩しても、攻撃者がスマートフォンを物理的に持っていなければログインできません。すべてのSNSアカウントで必ず設定してください。

【プラットフォーム別】二要素認証(2FA)設定 完全ガイド

2026年2月時点の設定手順です。各プラットフォームのUIは更新される場合がありますので、メニュー名が異なる場合は類似の項目を探してください。

X(旧Twitter)の2FA設定:

  1. 自分のアイコンをタップ →「設定とサポート」→「設定とプライバシー」
  2. 「セキュリティとアカウントアクセス」→「セキュリティ」
  3. 「2要素認証」→「認証アプリ」を選択(SMS認証より安全)
  4. 認証アプリ(Google Authenticator等)でQRコードをスキャン
  5. バックアップコードを必ず保存する(スマホ紛失時に必要)

Instagramの2FA設定:

  1. プロフィール →「設定とプライバシー」
  2. 「アカウントセンター」→「パスワードとセキュリティ」
  3. 「二段階認証」→ 対象アカウントを選択
  4. 「認証アプリ(推奨)」またはテキストメッセージを選択
  5. バックアップコードを保存

Facebookの2FA設定:

  1. メニュー →「設定とプライバシー」→「設定」
  2. 「アカウントセンター」→「パスワードとセキュリティ」
  3. 「二段階認証」→ 認証方法を選択

TikTokの2FA設定:

  1. プロフィール → メニュー →「設定とプライバシー」
  2. 「セキュリティ」→「2段階認証」
  3. 2つ以上の認証方法を設定(推奨)

LINEの2FA設定:

  1. 「設定」→「アカウント」
  2. 「Webログインの2要素認証」をオンにする
  3. 「ログイン許可」を必要に応じてオフにする(他端末からのログインを制限)

もし被害に遭ってしまったら?— 回復と報告のためのアクションプラン

万が一、アカウントが乗っ取られたり、なりすましアカウントを発見した場合は、以下の4ステップで対応してください。

  • STEP 1 証拠保全 — なりすましアカウントの画面や被害内容をスクリーンショットで保存する(URL、日時も記録)
  • STEP 2 周囲への注意喚起 — 本物のアカウント(または別の連絡手段)から、なりすましが発生していることを速やかに知らせ、二次被害を防止する
  • STEP 3 プラットフォームへの報告 — 各SNSの通報機能を使い、なりすましアカウントの削除・乗っ取りアカウントの復旧を申請する
  • STEP 4 専門機関への相談 — 金銭被害や脅迫がある場合は、警察(#9110)またはサイバー犯罪相談窓口に相談する

【2026年の新脅威】AI時代のSNSリスクと防御法

2025〜2026年にかけて、AI技術の急速な進化により、SNSの脅威は新たな段階に入りました。従来の手口に加えて、AIを悪用した高度な攻撃が急増しています。

ディープフェイク — あなたの顔が悪用される時代

ディープフェイクとは、AI技術を使って本人そっくりの偽動画・偽画像・偽音声を生成する技術です。SNSに投稿した顔写真や動画が素材として悪用され、以下のような被害が発生しています。

  • なりすまし動画の作成 — あなたの顔で偽の動画を作られ、詐欺や名誉毀損に利用される
  • ポルノ素材への悪用 — 顔写真を合成したわいせつ画像の作成(リベンジポルノの新形態)
  • 詐欺への悪用 — 有名人のディープフェイク動画で投資詐欺に誘導するケースが急増

SNSに投稿した顔写真が多いほど、ディープフェイクの素材として精度が上がる点に注意が必要です。特に動画の投稿は慎重に公開範囲を設定してください。

AI音声なりすまし — 「知人の声」に騙されないために

AI音声合成技術の進化により、数秒の音声サンプルから本人そっくりの声を再現することが可能になりました。SNSに投稿した動画やボイスメッセージが素材となり、家族や友人になりすました電話で金銭を騙し取る手口が報告されています。

対策: 電話やボイスメッセージで金銭の要求や緊急の依頼を受けた場合、必ず別の連絡手段(別の電話番号やSNSのメッセージ等)で本人確認を行ってください。

AI生成フィッシングメッセージの見分け方

従来のフィッシングメッセージは日本語の不自然さで見分けられましたが、AIの活用により自然な日本語のフィッシングメッセージが急増しています。

従来のフィッシングAI生成フィッシング
不自然な日本語、誤字脱字が多い自然な日本語、文法も正確
テンプレート的な文面個人の投稿内容に合わせたパーソナライズ
明らかに不審なリンク正規サイトに似せた巧妙なリンク

見分けるポイント:

  • 「緊急」「至急」「アカウント停止」など不安を煽る文言がないか
  • リンクのURLが正規サービスのものか(一文字違い等に注意)
  • 心当たりのない操作確認やセキュリティ警告ではないか

AI脅威から身を守る3つの原則

  1. SNSへの顔写真・動画の投稿を最小限にする — 特に公開アカウントでの顔出しは、ディープフェイク素材の提供に直結する
  2. 音声・映像での依頼は別手段で本人確認する — 「声だから本人」という思い込みは危険。合言葉を家族で決めておくのも有効
  3. 不審なメッセージ内のリンクは絶対にクリックしない — どんなに自然な日本語でも、リンク先のURLを必ず確認する

急増するSNS型詐欺 — 投資詐欺・ロマンス詐欺の手口と防御法

2024年、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害額は約1,259億円と、過去最大規模に達しました。警察庁はこの状況を「極めて憂慮すべき」と警鐘を鳴らしています。(出典:警察庁「令和6年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺」

SNS型投資詐欺の典型的な手口

SNS型投資詐欺は、以下のようなパターンで進行します。

  1. 接触 — SNS広告で著名人(著名投資家、経営者等)を装い、投資セミナーや投資グループに勧誘する
  2. 移行 — SNSからLINEグループやメッセージアプリへ移行を促す
  3. 信頼構築 — 少額の投資で利益が出る「成功体験」を見せ、信頼させる
  4. 増額 — 「今がチャンス」と焦らせ、投資額を徐々に増やさせる
  5. 消失 — 出金しようとすると「手数料が必要」等と追加入金を求め、最終的に連絡が途絶える

ロマンス詐欺の危険信号チェックリスト

  • SNSやマッチングアプリで知り合い、すぐにLINE等への移行を求めてくる
  • プロフィール写真が過度に魅力的(AI生成画像や他人の写真の可能性)
  • 会おうとすると「海外にいる」「仕事が忙しい」等の理由で会えない
  • 短期間で強い恋愛感情を表現してくる(ラブボミング)
  • 「2人の将来のために」「一緒に投資しよう」と金銭の話題を持ち出す
  • 送金先が個人口座や暗号資産のウォレット

SNS詐欺に遭わないための鉄則

鉄則内容
会ったことのない相手にお金を渡さないどんな理由があっても、対面したことのない相手への送金は絶対にしない
「元本保証」「高利回り」は詐欺のキーワード投資にリスクがないことはありえない
SNS広告の投資話を信用しない著名人を装った広告は本人とは無関係の可能性が極めて高い
LINEグループの投資情報を信用しない「利益が出た」という他メンバーの発言もサクラの可能性がある
少しでもおかしいと感じたら相談する消費者ホットライン(188)または警察相談電話(#9110)に連絡

【保護者必読】子どものSNS安全ガイド

子どもがSNSを利用する年齢は低下しており、犯罪被害のリスクも高まっています。保護者として子どものSNS利用にどう向き合うべきか、具体的な対策を解説します。

子どものSNS被害の実態 — 統計データが示す深刻さ

警察庁のデータによると、SNSに起因する犯罪の被害児童数は年間1,486人にのぼります。さらに深刻なのは、被害に遭った児童の約9割がフィルタリングを利用していなかったという事実です。(出典:警察庁「令和6年の犯罪情勢」

区分内容
被害児童数1,486人
フィルタリング未設定率約88.1%(被害児童のうち)
被害の主な内容児童ポルノ、誘い出し、脅迫
被害が多いSNSX(旧Twitter)、Instagram、TikTok等

フィルタリング設定の方法(iPhone/Android別)

フィルタリングは子どものSNS安全の最も基本的な対策です。各キャリアのフィルタリングサービスに加え、端末側でも設定しましょう。

iPhoneのスクリーンタイム設定:

  1. 「設定」→「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」をオン
  2. 「コンテンツ制限」→ 年齢に応じたアプリの制限を設定
  3. 「Webコンテンツ」→「成人向けWebサイトを制限」を選択
  4. SNSアプリの利用時間制限を設定

Androidのファミリーリンク設定:

  1. Google ファミリーリンクアプリをダウンロード
  2. 子どものGoogleアカウントとリンク
  3. アプリのインストール承認制を設定
  4. コンテンツフィルタリングとスクリーンタイムを設定

各キャリアのフィルタリングサービス:

キャリアサービス名月額
NTTドコモあんしんフィルター for docomo無料
au(KDDI)あんしんフィルター for au無料
ソフトバンクあんしんフィルター無料
格安SIM各社i-フィルター等の別途契約が必要な場合あり月額300〜400円程度

親子で作るSNSルール

フィルタリングの設定だけでなく、親子でSNS利用のルールを話し合って決めることが重要です。家族の防犯ルールと同様に、SNSにも家庭内ルールを設けましょう。

  • 個人情報の投稿禁止 — 本名、学校名、住所、電話番号は絶対に投稿しない
  • 知らない人とのやり取り禁止 — DMやフォローリクエストは保護者に相談してから対応
  • 顔写真の投稿ルール — 公開アカウントでの顔出しは禁止、友達限定でも慎重に
  • 困ったことがあったらすぐ相談 — 怖いメッセージが来た、変な画像を送られた等は隠さず保護者に報告
  • 利用時間の制限 — 1日の利用時間を決め、就寝前のSNS利用は控える
  • 定期的な確認 — 保護者がSNSの利用状況を定期的に確認する機会を設ける(監視ではなく見守り)

大切なのは「禁止」だけでなく「なぜ危険なのか」を子どもが理解できる形で伝えることです。子どもの安全を守る防犯対策も合わせて参考にしてください。

設定の先にあるもの — 安全なSNS利用の「心構え」

ここまで具体的な設定方法を解説してきましたが、最も重要なのは「心構え」です。設定はあくまでも技術的な対策であり、最後は一人ひとりの意識が防犯力を決めます。

あなたは「加害者」にもなりうる

SNSでは被害者になるだけでなく、意図せず加害者になる可能性もあります。

  • 他人の個人情報を暴露する行為 — たとえ「正義」のつもりでも、無断で他人の住所や職場を晒す行為は名誉毀損罪(刑法230条)に該当する可能性があります
  • 誹謗中傷の書き込み — 侮辱罪(刑法231条)が2022年に厳罰化され、1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金に引き上げられました
  • 無断撮影・無断投稿 — 他人の写真を無断でSNSに投稿する行為は、肖像権やプライバシー権の侵害として損害賠償請求の対象になります

「ネットの書き込みは匿名ではない」ことを忘れないでください。発信者情報開示請求により、投稿者の特定は技術的に可能です。

ネット上の脅威は進化し続けている

SNSの脅威は年々巧妙化しています。2024年に急増したAI関連の脅威やSNS型詐欺は、1年前には想像できなかったものです。

「一度設定したら安心」ではなく、以下の習慣を身につけてください。

  • 各SNSのセキュリティ設定を半年に1度は見直す
  • SNSプラットフォームのセキュリティに関するお知らせ・通知に目を通す
  • 新しい手口のニュースに関心を持ち、自分や家族の対策に反映する

困ったときの相談窓口

SNSでトラブルに遭った場合は、一人で悩まず専門機関に相談してください。

相談窓口概要連絡先
警察相談専用電話犯罪被害全般の相談#9110
各都道府県警察サイバー犯罪相談窓口ネット犯罪の専門相談各都道府県警のサイトから確認
違法・有害情報相談センター総務省支援事業、削除依頼のアドバイス相談窓口サイト
法務省インターネット人権相談受付窓口悪質な書き込みの削除要請支援法務省サイト
セーファーインターネット協会(SIA)誹謗中傷ホットラインSIAサイト
消費者ホットライン詐欺被害等の消費生活相談188

防犯の相談窓口一覧でも各種相談先を詳しくまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. SNSで個人情報を守るにはどうすればいいですか?

SNS防犯の基本は5つの原則です。①位置情報をオフにする、②公開範囲を「友達のみ」に限定する、③二要素認証を全アカウントで有効にする、④投稿前に身バレリスクを確認する、⑤不審なDM・リンクを開かない。これらを徹底するだけで大半のリスクを回避できます。

Q2. SNSの位置情報をオフにする方法は?

iPhoneは「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」→「カメラ」で「なし」を選択します。Androidはカメラアプリの設定から「位置情報タグ」をオフにします。さらに各SNSアプリの位置情報権限も「なし」に設定しましょう。

Q3. SNSのアカウント乗っ取りを防ぐ方法は?

最も効果的な対策は二要素認証(2FA)の設定です。パスワードが漏洩しても、スマートフォンの認証コードがなければログインできなくなります。加えて、12文字以上の複雑なパスワードを各SNSで使い分け、パスワードマネージャーで管理することを推奨します。

Q4. 二要素認証(2FA)とは何ですか?設定すべきですか?

二要素認証とは、パスワードに加えてスマートフォンの認証コードなど「自分だけが持つもの」で本人確認を二重化する仕組みです。必ず設定すべきです。パスワードの使い回しや漏洩が頻発する現在、2FAは最も費用対効果の高いセキュリティ対策といえます。

Q5. SNSで子どもを犯罪被害から守るにはどうすればいいですか?

フィルタリングの設定が最優先です。被害児童の約9割がフィルタリングを利用していません。各キャリアのフィルタリングサービスに加え、SNSアプリ側の年齢制限・DM制限を設定し、親子間でSNS利用ルールを話し合って決めることが重要です。

Q6. SNSで知らない人からDMが来たらどう対処すべきですか?

基本的に返信しないことが鉄則です。特に投資や副業の勧誘、恋愛感情を利用したメッセージは詐欺の可能性が高いです。リンクは絶対にクリックせず、不審なアカウントはブロック・通報してください。各SNSのDM設定で受信範囲を制限することも有効です。

Q7. SNSストーカーの被害に遭ったらどこに相談できますか?

まず証拠をスクリーンショットで保全してください。相談先は、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口、警察相談専用電話(#9110)、違法・有害情報相談センター、法務省インターネット人権相談窓口などがあります。脅迫や実害がある場合は迷わず110番通報してください。

Q8. SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の見分け方は?

共通する危険信号は、SNSやメッセージアプリで知り合った相手からの投資・送金の勧誘です。著名人を装った広告からの誘導、LINE等への移行を促す行動、元本保証・高利回りの約束は典型的な詐欺の手口です。「会ったことのない相手にお金を渡さない」を徹底してください。

Q9. ディープフェイクとは何ですか?被害を防ぐには?

ディープフェイクとはAI技術で作られた偽の動画・音声・画像のことです。SNSに投稿した顔写真や動画が素材として悪用されます。対策として、SNSに顔写真や動画を投稿する際は公開範囲を限定し、ビデオ通話での不審な依頼には別の連絡手段で本人確認を行いましょう。

Q10. SNSの写真から自宅が特定されることはありますか?

あります。写真のExifデータに含まれる位置情報だけでなく、背景に写った看板・建物・マンホール・電柱の住所表示などから住所を特定される事例が実際に発生しています。カメラの位置情報をオフにし、投稿前に背景の写り込みを必ず確認する習慣をつけてください。

まとめ:あなたの安全は、あなたの手の中にある

SNSは便利なコミュニケーションツールですが、使い方次第で深刻な犯罪被害につながります。しかし、正しい知識と適切な設定で、そのリスクは大幅に軽減できます。

  • 位置情報をオフにする — カメラアプリとSNSアプリの位置情報を無効化し、身バレリスクをゼロにする
  • 公開範囲を限定する — 不特定多数への情報公開を避け、信頼できる相手のみに
  • 二要素認証を全アカウントで設定する — パスワード漏洩の最後の砦
  • 投稿前に「身バレチェック」を習慣化する — 写真の背景、テキストの個人情報を確認
  • 不審なDM・リンクは絶対に開かない — AI生成の巧妙なメッセージにも警戒
  • SNS型詐欺の手口を知る — 「会ったことのない相手にお金を渡さない」が鉄則
  • 子どものSNS利用にはフィルタリング設定と親子ルールを — 被害児童の約9割がフィルタリング未設定
  • 困ったら一人で悩まず相談窓口へ — 警察相談電話#9110、消費者ホットライン188

「正しい知識が最強の武器」——防犯設備士として、これだけはお伝えしたいメッセージです。今日からできる設定を一つずつ実行していくことが、あなたと家族の安全を守る第一歩です。

防犯対策の全体像は「じぶん防犯」トップページで確認できます。一人暮らし女性の防犯対策夜道の防犯対策防犯ブザーの選び方と使い方防犯の4原則「目・光・音・時間」も合わせてご覧ください。

この記事を書いた人
防犯設備士(公益社団法人 日本防犯設備協会認定)

防犯設備士として10年以上のセキュリティ業界経験を持つ。住宅・店舗・施設の防犯カメラ設置や防犯診断の現場経験をもとに、専門知識を一般の方にもわかりやすく発信している。

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