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ネット通販の安全な使い方|詐欺に遭わないための購入前チェックリスト【2026年版】

ネット通販は自宅にいながら買い物ができる便利なサービスですが、偽サイトでの購入被害、個人情報の漏洩、クレジットカードの不正利用など、さまざまなリスクが潜んでいます。2025年のフィッシング報告件数は約245万件、ネット通販詐欺の被害総額は推定6,000億円超と、被害は年々拡大しています。

この記事では、防犯設備士の監修のもと、ネット通販を安全に利用するための対策を網羅的に解説します。サイトの見極め方から支払い方法の選び方、パスワード管理、公衆Wi-Fi対策、子ども・高齢者の見守り方まで、この1記事でネット通販の安全対策が身につきます。

ネット通販に潜む5つのリスク

まず、ネット通販を利用する際に知っておくべき5つのリスクを確認しましょう。

リスク①偽ショッピングサイトでの購入被害

正規サイトを模倣した偽ショッピングサイトで商品を購入してしまい、代金をだまし取られたり個人情報を盗まれたりする被害です。偽サイトは年々巧妙化しており、見た目だけでは判別が困難になっています。

偽サイトの見分け方は「偽ショッピングサイトの見分け方|10のチェックリスト」で詳しく解説しています。

リスク②個人情報・クレジットカード情報の漏洩

正規の通販サイトであっても、サイトがハッキングされたり、入力した情報が暗号化されていなかったりすると、個人情報やカード情報が第三者に漏洩するリスクがあります。

リスク③不正利用(カードの不正利用・アカウント乗っ取り)

漏洩したカード情報やパスワードが悪用され、身に覚えのない購入や送金が行われる被害です。パスワードの使い回しが原因で、1つのサイトからの漏洩が他の複数サービスへの被害に拡大するケースが多発しています。

リスク④返品・返金トラブル

「思っていた商品と違う」「不良品が届いた」場合に、返品・返金に応じてもらえないトラブルです。特定商取引法に基づく表記がないサイトや、返品ポリシーが不明確なサイトでは要注意です。

リスク⑤公衆Wi-Fiでの通信傍受

カフェや空港などの公衆Wi-Fiは、暗号化が不十分な場合があり、通信内容を第三者に傍受されるリスクがあります。ネットショッピング中にカード情報やパスワードを入力すると、それらが盗み見られる可能性があります。

安全な通販サイトを見極める7つのポイント

初めて利用する通販サイトで購入する前に、以下の7つのポイントを確認してください。

  1. URLが「https://」で始まり鍵マークがあるか
  2. 特定商取引法に基づく表記があるか
  3. 運営会社の住所・電話番号が実在するか
  4. 価格が相場と比較して適正か
  5. 日本語の表現が自然か
  6. 口コミ・レビューが実在するか
  7. 決済方法が複数用意されているか

①URLが「https://」で始まり鍵マークがあるか

ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示され、URLが「https://」で始まっていることを確認してください。「https://」はサイトとの通信が暗号化されていることを示します。

ただし、httpsだけでは安全は保証されません。偽サイトでもSSL証明書を取得してhttpsにすることは可能です。あくまで「httpsでないサイトは危険」という最低限の確認として活用してください。

②特定商取引法に基づく表記があるか

日本国内で通販サイトを運営する場合、特定商取引法により以下の情報の表記が義務付けられています。

項目確認ポイント
事業者名法人名または個人名が記載されているか
所在地番地まで記載された具体的な住所か
電話番号実在する電話番号か(検索して確認)
代表者名代表者の氏名が記載されているか
返品・交換ポリシー条件が明確に記載されているか

これらの表記がない、または曖昧な場合は利用を避けてください。

③運営会社の住所・電話番号が実在するか

記載された住所をGoogleマップで検索し、実在するオフィスや店舗があるか確認してください。住所が空き地や無関係な建物だった場合は偽サイトの可能性が高いです。電話番号も検索して、実在する番号か確認しましょう。

④価格が相場と比較して適正か

「定価の80%OFF」「他店より大幅に安い」など、相場からかけ離れた価格設定は詐欺サイトの典型的な特徴です。公式サイトや大手通販サイト(Amazon・楽天等)で同じ商品の価格を確認し、比較してください。

⑤日本語の表現が自然か

海外から運営されている偽サイトは、機械翻訳による不自然な日本語が使われていることがあります。ただし、近年はAIを使った自然な日本語の偽サイトも増えているため、日本語だけで判断しないでください。

⑥口コミ・レビューが実在するか

サイト名で検索し、外部の口コミサイトやSNSでの評判を確認してください。口コミがまったく見つからないサイトや、不自然に高評価ばかりのレビューは要注意です。

⑦決済方法が複数用意されているか

正規の通販サイトは、クレジットカード・銀行振込・後払い・代金引換など複数の決済方法を用意しているのが一般的です。「銀行振込のみ」「個人名義の口座への振込のみ」の場合は詐欺サイトの可能性が高いです。

不安な場合はSAGICHECKなどの偽サイト判定ツールでURLをチェックしてください。

支払い方法別のリスクと安全な選び方

ネット通販の支払い方法によって、万が一トラブルに遭った場合の対処のしやすさが大きく異なります。

支払い方法安全性不正利用時の補償おすすめ度
クレジットカード★★★★★チャージバック制度あり
後払い決済★★★★☆商品確認後の支払いで安心
代金引換★★★★☆商品到着時に支払い
QRコード決済★★★☆☆サービスにより補償あり
銀行振込(前払い)★★☆☆☆返金困難(救済法あり)
電子マネー・プリペイド★☆☆☆☆返金ほぼ不可能×

クレジットカード(3Dセキュア2.0で安全性向上)

クレジットカードはネット通販で最も安全な支払い方法です。不正利用が発覚した場合、カード会社のチャージバック制度で返金を受けられる可能性があります。

さらに、2025年3月からはすべてのEC加盟店に「EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)」の導入が義務化されました。3Dセキュア2.0は、カード番号の入力に加えてワンタイムパスワードや生体認証による追加認証を行うことで、第三者による不正利用を防ぐ仕組みです。

※出典:日本クレジット協会 - インターネットでのクレジットカードの利用

後払い決済(商品確認後の支払いで安心)

NP後払い、atone(アトネ)、Paidyなどの後払い決済は、商品を受け取ってから支払うため、「商品が届かない」リスクを回避できます。初めて利用するサイトでは後払い決済の選択肢があるか確認しましょう。

QRコード決済・電子マネー

PayPay・楽天ペイ・d払いなどのQRコード決済は、補償制度がサービスにより異なります。電子マネー(プリペイドカード、ギフトカード等)は返金がほぼ不可能なため、初めてのサイトでの利用は避けてください。

銀行振込(前払いは要注意)

銀行振込(前払い)は最もリスクの高い支払い方法です。商品が届かなくても返金が困難であり、振込先が個人名義の口座の場合は詐欺の可能性が非常に高いです。

やむを得ず銀行振込を利用する場合は、振込先が法人名義の口座であることを確認してください。

詐欺に遭った場合の返金手続きは「ネット通販詐欺の返金手続き完全ガイド」で詳しく解説しています。

代金引換(最も安全だが手数料あり)

代金引換は商品到着時に配達員に代金を支払う方法で、「商品が届かない」リスクがゼロの最も安全な方法です。ただし330〜660円程度の手数料がかかる点と、対応していないサイトが増えている点がデメリットです。

パスワード管理と二段階認証の設定方法

アカウントの乗っ取りを防ぐために、パスワード管理と二段階認証の設定は必須です。

安全なパスワードの作り方(12文字以上・使い回し禁止)

安全なパスワードの条件を以下にまとめます。

  • 12文字以上で、英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせる
  • 誕生日、電話番号、名前など推測しやすい情報を使わない
  • サービスごとに異なるパスワードを設定する(使い回し厳禁)
  • 定期的な変更よりも「長く複雑なパスワードを使い回さない」ことが重要

パスワードマネージャーの活用

サービスごとに異なるパスワードを管理するために、パスワードマネージャーの利用をおすすめします。

ツール対応OS特徴
iCloudキーチェーンiOS / macOSApple製品に標準搭載
GoogleパスワードマネージャーAndroid / ChromeChrome・Androidに標準搭載
Bitwarden全OS無料で台数無制限。オープンソース

二段階認証(2FA)の設定手順(主要通販サイト別)

二段階認証を設定すると、パスワードが漏洩しても不正ログインを防げます。主要通販サイトでの設定方法は以下のとおりです。

サイト設定方法
Amazonアカウントサービス→ログインとセキュリティ→2段階認証の設定
楽天市場my Rakuten→セキュリティ→ワンタイムパスワード設定
Yahoo!ショッピングYahoo! JAPAN ID→セキュリティ→確認コード設定

設定は5分程度で完了します。まだ設定していない方は、今すぐ設定してください。

安全なWi-Fi環境でのショッピング

インターネット接続環境の安全性も、ネット通販の重要なセキュリティ要素です。

公衆Wi-Fiでネットショッピングが危険な理由

カフェ・空港・ホテルなどの公衆Wi-Fiは、以下のリスクがあります。

  • 通信の傍受:暗号化されていないWi-Fiでは、入力したカード情報やパスワードが第三者に盗み見られる可能性がある
  • 偽のWi-Fiスポット:正規のWi-Fiに似た名前の偽Wi-Fiに接続してしまうリスク
  • 中間者攻撃:通信を仲介して情報を盗み取る攻撃

安全にショッピングするための3つのルール

  • ルール1:ネットショッピングは自宅のWi-Fiまたはモバイルデータ通信(4G/5G)で行う
  • ルール2:外出先でどうしても購入が必要な場合は、モバイルデータ通信に切り替える
  • ルール3:公衆Wi-Fiに接続中は、パスワード入力・カード情報入力・銀行操作をしない

モバイルデータ通信への切り替え方法

公衆Wi-Fiからモバイルデータ通信に切り替える方法は以下のとおりです。

  • iPhone:「設定」→「Wi-Fi」をオフにする、またはコントロールセンターでWi-Fiアイコンをタップ
  • Android:「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」をオフにする

Wi-Fiをオフにすれば自動的にモバイルデータ通信(4G/5G)に切り替わります。

子ども・高齢者のネット通販を見守る方法

家族の中に子どもや高齢者がいる場合は、ネット通販の安全な利用をサポートすることも重要です。

子どものネット通販利用に制限をかける方法

子どもがネット通販を利用する場合は、以下の対策を取ってください。

対策設定方法
カード情報の保存を解除通販サイトの支払い設定からカード情報を削除
ペアレンタルコントロールiPhone「スクリーンタイム」/ Android「ファミリーリンク」で購入に制限
購入前確認ルール購入前に必ず保護者に見せて承認を得るルールを決める
利用サイトの限定Amazon・楽天など大手サイトのみ利用可とする

高齢者向け安全チェックリスト

高齢のご家族がネット通販を利用する場合は、以下の簡易チェックリストを紙に印刷して渡してあげてください。

  • □ 知らないサイトで買い物するときは家族に相談する
  • □ 「銀行振込のみ」のサイトでは買わない
  • □ 「激安」「本日限り」の広告に飛びつかない
  • □ メールやSMSのリンクから買い物サイトに行かない
  • □ パスワードは紙に書いて安全な場所に保管する(使い回しはしない)
  • □ 困ったら188(消費者ホットライン)に電話する

家族で共有すべきネット通販のルール

家族全員で以下のルールを共有しておくと、被害を未然に防ぐことができます。

  • 初めてのサイトでは「銀行振込」「電子マネー」で支払わない
  • 不審なメールやSMSのリンクから通販サイトにアクセスしない(フィッシングメールの見分け方を参照)
  • SNS広告の「激安商品」は公式サイトで価格を確認してから購入する
  • カード明細は毎月確認し、身に覚えのない請求があれば即カード会社に連絡する

ネット通販トラブルの相談窓口

ネット通販でトラブルに遭った場合の相談窓口を以下にまとめます。

窓口電話番号対応内容
消費者ホットライン188(いやや)最寄りの消費生活センターに接続
警察相談専用電話#9110詐欺被害の相談
サイバー犯罪相談窓口各都道府県警察ネット詐欺の被害届
法テラス0570-078374弁護士相談の案内(無料)

防犯の無料相談窓口まとめでは、各窓口の詳しい利用方法を解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. ネット通販で最も安全な支払い方法は何ですか?

クレジットカード払いが最も安全です。万が一不正利用や詐欺被害に遭った場合でも、チャージバック制度により返金を受けられる可能性があります。2025年3月からは3Dセキュア2.0が義務化され、カード決済の安全性がさらに向上しています。初めてのサイトでは銀行振込(前払い)を避け、クレジットカードまたは後払い決済を選びましょう。

Q2. 通販サイトが安全かどうかはどうやって確認しますか?

URLがhttps://で始まるか、特定商取引法に基づく表記があるか、運営会社の住所・電話番号が実在するか、価格が相場と比較して適正かを確認してください。さらに[SAGICHECKなどの偽サイト判定ツール](/bouhan/general/sagicheck-guide)でURLをチェックすると安心です。

Q3. 公衆Wi-Fiでネットショッピングしても大丈夫ですか?

公衆Wi-Fiでのネットショッピングは推奨しません。暗号化されていない公衆Wi-Fiでは通信内容を傍受されるリスクがあり、カード情報やパスワードが盗まれる可能性があります。ネットショッピングはモバイルデータ通信(4G/5G)または自宅のWi-Fiで行ってください。

Q4. 3Dセキュアとは何ですか?

3Dセキュア(EMV 3-Dセキュア)は、ネット通販でクレジットカード決済を行う際の本人認証サービスです。カード番号の入力に加えて、ワンタイムパスワードや生体認証による追加認証を行うことで、第三者による不正利用を防ぎます。2025年3月から全てのEC加盟店に導入が義務化されました。

Q5. 子どもにネットショッピングさせる際の注意点は?

保護者のクレジットカード情報を勝手に使えない設定にする、購入前に必ず保護者に確認するルールを決める、利用するサイトを限定する(Amazon・楽天等の大手のみ)、ペアレンタルコントロールで決済に制限をかける、といった対策が有効です。

Q6. ネット通販で個人情報を守るにはどうすればいいですか?

サービスごとに異なるパスワードを使う、二段階認証を設定する、公衆Wi-Fiで買い物をしない、信頼できるサイトでのみ個人情報を入力する、セキュリティソフトを導入する、という5つの対策が基本です。パスワードの使い回しをやめるだけでも、不正アクセスのリスクを大幅に減らせます。

Q7. ネット通販でトラブルに遭ったらどこに相談しますか?

消費者ホットライン(188)に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。クレジットカードの不正利用はカード裏面の電話番号に連絡してください。警察への相談は警察相談専用電話(#9110)またはサイバー犯罪相談窓口で受け付けています。

まとめ|ネット通販安全チェックリスト

ネット通販を安全に楽しむためには、「サイトの見極め」「支払い方法の選択」「アカウント保護」「通信環境」の4つの柱を押さえることが重要です。

  • 初めてのサイトはURL・特商法表記・価格・口コミの7項目をチェック
  • 支払いはクレジットカードまたは後払い決済を選ぶ(銀行振込・前払いは避ける)
  • 3Dセキュア2.0でカード決済の安全性が向上(2025年3月義務化)
  • パスワードはサービスごとに異なるものを設定し、二段階認証を有効にする
  • ネットショッピングは自宅Wi-Fiまたはモバイルデータ通信で行う(公衆Wi-Fi厳禁)
  • 子どもにはペアレンタルコントロール、高齢者には簡易チェックリストを
  • トラブルに遭ったら消費者ホットライン(188)に相談

ネット通販のリスクは正しい知識と対策で大幅に減らすことができます。偽ショッピングサイトの見分け方偽サイト判定ツールの使い方も併せてご確認ください。その他の防犯情報は「じぶん防犯」トップページからご覧いただけます。

この記事を書いた人
防犯設備士(公益社団法人 日本防犯設備協会認定)

防犯設備士として10年以上のセキュリティ業界経験を持つ。住宅・店舗・施設の防犯カメラ設置や防犯診断の現場経験をもとに、専門知識を一般の方にもわかりやすく発信している。

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