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空き巣の前兆サイン12選|下見の手口と対策を防犯設備士が解説

「インターホンが鳴ったのに誰もいない」「非通知の電話が何度もかかってくる」——そんな不審な出来事に心当たりはありませんか?

2024年の住宅侵入窃盗の認知件数は16,962件、1日あたり約46件もの被害が発生しています。(出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」)そして、これらの被害のほとんどには「前兆」があります。

本記事では、防犯設備士としての実務経験をもとに、空き巣の前兆サイン12選と下見の手口、そして前兆を発見した時にやるべき行動を徹底解説します。危険度レベルの自己診断チェックリストも掲載していますので、今すぐ自宅の状況を確認してみてください。

【結論】空き巣の前兆サイン早わかりチェックリスト

  • 前兆サインは12種類 — インターホン空押し、非通知電話、マーキング、置き石、チラシの蓄積、郵便物の抜き取り、不審者・不審車両、偽の業者訪問、庭の足跡、鍵穴の傷、ゴミ出し日の観察、SNSからの情報漏洩
  • 複数のサインが重なると危険度が跳ね上がる — 1〜2個は「注意」、3〜5個は「警戒」、6個以上またはマーキング発見は「危険」
  • 前兆を見つけたら5つの行動 — ①証拠を記録 → ②警察に相談(#9110) → ③マーキングを消す → ④近隣に共有 → ⑤防犯を即日強化
  • 対策は0円から始められる — 施錠の徹底や在宅偽装は今日からできる

以下の表で、12のサインと危険度を一覧で確認できます。

No.前兆サイン危険度概要
インターホンの空押し★★★在宅かどうかを確認する最も一般的な手口
非通知・無言電話★★☆電話で在宅時間帯を探る
マーキング(印・シール・傷)★★★家の情報を暗号化して記録
置き石・小物の位置変化★★★在宅パターンを物理的に確認
チラシ・DMの異常な蓄積★★☆長期不在かどうかを確認
郵便物の抜き取り形跡★★★個人情報の収集
不審者・不審車両の出没★★★直接的な下見行動
偽の業者・アンケート訪問★★★家の内部情報を聞き出す
庭の足跡・ゴミ・吸い殻★★★敷地内に侵入した痕跡
鍵穴の微細な傷★★★ピッキングの試行跡
ゴミ出し日の観察★☆☆生活パターンの把握
SNSからの情報漏洩★★☆外出・旅行情報の収集

なぜ空き巣は「下見」をするのか──泥棒の心理と行動パターン

空き巣は衝動的に犯行に及ぶわけではありません。ほとんどの空き巣犯は、犯行前に必ず「下見(偵察)」を行い、ターゲットを慎重に選定しています。

空き巣の3つの判断基準

空き巣が下見で見ているポイントは、主に次の3つです。

判断基準下見で確認すること
留守かどうか在宅時間帯、家族構成、通勤・通学の時間
侵入しやすいか無施錠の窓・ドア、死角の有無、鍵のタイプ
逃げやすいか逃走経路、近隣の目、防犯カメラの有無

この3条件をすべて満たす家が「狙いやすい家」として選ばれます。逆に言えば、1つでも条件を崩せば空き巣に「この家はやめておこう」と思わせることができるのです。空き巣の手口10選と対策も合わせてご確認ください。

下見は何回行われる?

空き巣犯の多くは犯行前に複数回の下見を行うとされています。1回目は地域全体を歩いて「入りやすそうな家」をリストアップし、2回目以降はターゲットを絞って生活パターンや防犯設備を入念にチェックします。

つまり、前兆サインに早い段階で気づくことができれば、犯行を未然に防げる可能性が高まるのです。

【2026年最新】闇バイト型の下見──組織的な偵察行動

近年社会問題化している「闇バイト」では、SNSで「高額バイト」として募集された若者が、下見や見張りの要員として使い捨てにされるケースが急増しています。

闇バイト型の下見には、従来の下見とは異なる特徴があります。

  • 地域に不案内な若者が住宅街を不自然に歩き回る
  • スマートフォンで写真や動画を撮影しながら移動する
  • テレグラム等の秘匿性の高いアプリで指示役と連絡を取っている
  • 同じエリアに複数人が別々に出現する

「見慣れない若者がスマホで家を撮影していた」という目撃情報は、こうした組織的な下見の可能性があります。不審に思ったら、迷わず警察に通報してください。

空き巣の前兆サイン12選|今すぐ自宅を確認しよう

ここからは、空き巣の前兆サインを1つずつ具体的に解説します。「あれ、うちにも当てはまるかも」と感じるものがないか、チェックしながら読み進めてください。

① インターホンが鳴るが誰もいない(在宅確認)

空き巣が最もよく使う下見手口の1つが、インターホンを押して在宅かどうかを確認する方法です。応答がなければ「留守」と判断し、犯行のタイミングを計ります。

特に同じ曜日・時間帯に繰り返し発生する場合は要注意です。録画機能付きの防犯に強いインターホンを導入すれば、不在時でも訪問者の顔を記録でき、証拠として活用できます。

② 非通知・無言電話が定期的にかかる

非通知で電話をかけ、応答の有無で在宅を確認する手口です。曜日や時間帯を変えながら繰り返すことで、生活パターンを把握しようとします。

同じ時間帯に週1回以上の非通知電話がある場合は、着信日時を記録しておきましょう。非通知着信拒否の設定(NTTの「ナンバー・リクエスト」等)も有効な対策です。

③ 玄関先にマーキング(印・シール・傷)がある

マーキングとは、空き巣が下見の際に家族構成・留守の時間帯・侵入難易度などを記号やシールで記録するものです。郵便ポスト、表札、インターホン周辺、メーターボックスなどに残されます。

マーキングを見つけた場合は「すでに下見が完了している」ことを意味します。即座に写真を撮影し、消去してください。マーキングの記号の意味や消し方については、空き巣のマーキングとは?記号の意味・対処法を専門家が解説で詳しく解説しています。

④ 玄関前の置き石や小物の位置が変わっている

玄関マットの下に小石を置いたり、ドアノブに細い糸を巻きつけたりして、住人が出入りしているかを確認する手口です。小石が動いていなければ「留守が続いている」と判断されます。

玄関周りに見覚えのない小物や、位置が変わっている物を見つけたら、写真を撮ったうえで撤去してください。

⑤ ポストにチラシやDMが異常に溜まっている

ポストにチラシや広告が溜まった状態は、「この家は留守が多い」というサインを空き巣に与えてしまいます。空き巣が意図的にチラシを投函し、回収されるまでの時間を計測するケースもあります。

長期不在にする場合は郵便局に不在届を提出し、新聞は配達停止の手続きをしておきましょう。

⑥ 郵便物が抜き取られた形跡がある

ポストから郵便物が抜き取られている場合、個人情報の収集が目的の可能性があります。氏名・家族構成・取引先金融機関などの情報が、ターゲット選定に悪用されることがあります。

鍵付きポストへの交換や、ポストの投入口を狭くする工夫が有効です。

⑦ 見慣れない人物や車両が繰り返し出没する

同じ人物が何度も自宅付近を通過したり、見慣れない車が長時間停車していたりする場合は、直接的な下見行動の可能性があります。

不審者・不審車両を目撃した場合は、安全な距離から特徴(服装・体格・車のナンバー等)を記録し、警察に情報提供してください。

⑧ 偽の業者・アンケート調査員が訪ねてくる

「水道の点検です」「アンケートにご協力ください」などと偽って訪問し、家の内部構造や家族構成、防犯設備の有無を聞き出す手口です。

身に覚えのない業者の訪問は、身分証の提示を求めたうえで、所属先に電話確認するのが原則です。「結構です」とドア越しに断ることも大切です。

⑨ 庭や敷地内に不自然な足跡・ゴミ・吸い殻がある

庭や裏手に自分のものではない足跡、タバコの吸い殻、空き缶などが見つかった場合、敷地内に侵入された痕跡の可能性があります。窓の下や死角になる場所は特に注意が必要です。

発見したら写真で記録し、足跡を踏み消さないように注意して警察に相談してください。

⑩ 窓やドアの鍵穴に微細な傷がついている

鍵穴周辺に見慣れない細かい傷がある場合、ピッキングや不正解錠を試みた痕跡の可能性があります。これは「侵入しやすさ」を確認する下見の一環です。

鍵穴の傷を発見した場合は、ディンプルキーなど防犯性能の高い鍵への交換を検討してください。

⑪ ゴミ出し日・生活パターンを観察されている

ゴミ出しの曜日や時間帯、通勤・帰宅のパターンから、空き巣は「確実に留守になる時間」を割り出します。毎日同じ時間にゴミ出しをする家庭は、裏を返せば生活リズムを読まれやすいとも言えます。

ゴミ出しの時間を少しずつ変える、出かける時はカーテンを閉めすぎない(=在宅を偽装する)といった工夫が有効です。

⑫ SNSの投稿から外出情報が漏れている

「家族旅行に来ています!」「今から3泊で出張」といったSNS投稿は、空き巣にとって格好の情報源です。リアルタイムの外出投稿は「今、家は空いています」と公開しているのと同じです。

旅行や外出の投稿は帰宅後にまとめて行い、自宅の外観がわかる写真の投稿も避けましょう。SNS防犯ガイドで設定の見直し方法を詳しく解説しています。

前兆サインの危険度レベル判定|3段階で自宅のリスクを診断

前兆サインがいくつ当てはまるかで、自宅の危険度を3段階で判定できます。

レベル1(注意):1〜2個のサインに該当

すぐに危険な状況ではありませんが、空き巣の下見対象になりかけている可能性があります。防犯の基本を見直し、施錠の徹底や外出時の工夫を始めましょう。

レベル2(警戒):3〜5個のサインに該当

下見が進行している可能性が高い段階です。警察相談専用電話(#9110)に相談し、防犯対策を早急に強化してください。近隣への情報共有も重要です。

レベル3(危険):6個以上、またはマーキング発見

犯行が差し迫っている可能性があります。すぐに警察に相談するとともに、補助錠・センサーライト・防犯カメラなどの対策を即日で導入してください。

より詳しい自宅の防犯チェックは、防犯診断チェックリストでセルフ診断できます。

前兆を発見したらやるべき5つの行動

前兆サインを1つでも発見した場合、以下の5つの行動を順番に実施してください。

① 証拠を記録する(写真・日時・状況メモ)

マーキング、置き石、足跡などの物的証拠はスマートフォンで写真撮影し、発見日時・場所・状況をメモしておきます。不審者を目撃した場合は、服装・体格・車のナンバーなど特徴を記録してください。これらの情報は警察への相談時に重要な資料になります。

② 警察に相談する(#9110 / 最寄りの交番)

緊急性がない場合は、警察相談専用電話#9110に連絡してください。証拠写真とともに状況を説明すると、パトロールの強化や防犯アドバイスを受けられます。繰り返し不審な出来事が起きている場合は、最寄りの交番への相談も有効です。

③ マーキングがあれば速やかに消す

マーキングを発見した場合は、証拠写真を撮影したうえで速やかに消去してください。マーキングを放置すると「防犯意識が低い家」と判断され、犯行リスクが高まります。消し方の詳細はマーキングの対処法を参照してください。

④ 近隣に情報共有する

前兆サインは自宅だけでなく、近隣の住宅にも残されている可能性があります。ご近所に情報を共有し、地域全体で警戒レベルを上げることが重要です。町内会や自治会の防犯パトロールがあれば、情報提供しておきましょう。

⑤ 防犯対策を即日強化する

前兆サインは「これから犯行が計画される可能性がある」という警告です。まずは施錠の徹底や在宅偽装など0円でできる対策から始め、状況に応じて防犯グッズの導入を検討してください。

空き巣の下見を「させない」家にする防犯対策

防犯の4原則「時間・光・音・目」を意識しながら、費用別に対策を整理しました。

0円でできる対策

今日からすぐに実践できる対策です。

  • 施錠の徹底 — 住宅侵入窃盗の約半数は無施錠が原因。短時間の外出でも必ず鍵をかける
  • 在宅偽装 — タイマー付きライトで照明を自動点灯させる、ラジオやテレビの音を流す
  • 声かけの習慣 — 見慣れない人に「何かお探しですか?」と声をかけるだけで抑止効果がある

施錠を徹底するだけで、空き巣被害のリスクは約半分に減らせますお金をかけない防犯対策15選も参考にしてください。

〜5,000円の対策

対策費用目安効果
窓用補助錠500〜2,000円侵入に時間をかけさせる
防犯砂利1,000〜3,000円歩くと大きな音が出る
ダミーカメラ1,000〜3,000円視覚的な威嚇効果
防犯ステッカー300〜800円「監視されている」と思わせる

〜30,000円の対策

対策費用目安効果
センサーライト3,000〜8,000円不審者を光で威嚇
録画機能付きインターホン10,000〜25,000円訪問者の記録・不在時対応
防犯フィルム10,000〜30,000円/窓ガラス破りに5分以上かけさせる
窓用防犯アラーム2,000〜5,000円振動・開放を検知して警報

センサーライトのおすすめ12選で選び方のポイントを詳しく解説しています。

30,000円〜の対策

対策費用目安効果
防犯カメラ30,000〜100,000円映像記録+強力な抑止力
スマートロック20,000〜50,000円施錠忘れ防止+遠隔操作
ホームセキュリティ月額4,000〜8,000円24時間監視+緊急駆けつけ

防犯カメラは設置位置が重要です。防犯カメラの設置位置と効果的な角度を参考に、死角のない配置を検討してください。

空き巣の前兆に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 空き巣の前兆にはどのようなものがありますか?

非通知電話、インターホンの空押し、マーキング、置き石の移動、不審者の出没、偽の業者訪問、郵便物の蓄積・抜き取りなど12種類のサインがあります。複数のサインが同時に見られる場合は、下見が進行している可能性が高いため、早急に警察へ相談してください。

Q2. 空き巣は何回くらい下見をしますか?

空き巣犯の多くは犯行前に複数回の下見を行います。1回目は地域全体の物色、2回目以降はターゲットの生活パターンや防犯設備の確認に充てるのが典型的なパターンです。

Q3. 空き巣が下見する時間帯はいつですか?

下見は平日の日中(10時〜15時)に多く、住民が外出する時間帯に合わせて行われます。週末に散歩を装って住宅街を歩き回るケースも報告されています。

Q4. 前兆を見つけたら警察に通報すべきですか?

はい。緊急性がない場合は110番ではなく、警察相談専用電話#9110に連絡してください。マーキングや不審者の写真など証拠とともに状況を伝えると、パトロールの強化や防犯指導を受けられます。

Q5. マンションでも空き巣の前兆はありますか?

あります。集合ポストへのマーキング、共用廊下での不審者の徘徊、オートロックを尾行で突破する行為、エントランスでの長時間待機などに注意が必要です。高層階でも屋上や隣室のベランダからの侵入事例があり、油断は禁物です。

Q6. 空き巣が嫌がる家の特徴は?

防犯カメラやセンサーライトが外から見える位置に設置されており、近隣との付き合いが活発で、防犯の4原則「時間・光・音・目」を満たす家です。防犯ステッカーを貼るだけでも一定の抑止効果があります。

Q7. インターホンが鳴って誰もいないのは空き巣ですか?

必ずしも空き巣とは限りませんが、同じ曜日・時間帯に繰り返し発生する場合は在宅確認の下見が疑われます。録画機能付きインターホンを導入して訪問者を記録しておくと、警察への相談時に有力な証拠になります。

Q8. 非通知電話が空き巣の前兆かどうか見分ける方法は?

同じ時間帯に週1回以上繰り返される場合は前兆の疑いがあります。着信日時を記録してパターンが見られたら警察に相談してください。NTTの「ナンバー・リクエスト」などの非通知着信拒否サービスも有効な対策です。

まとめ:前兆に気づく力が、あなたの家と家族を守る

  • 空き巣は必ず下見を行い、12種類の前兆サインを残すことがある
  • 複数のサインが重なるほど危険度が高まる——3個以上は警察に相談を
  • 前兆発見時は「記録→警察相談→消去→共有→対策強化」の5ステップで対応
  • 施錠の徹底だけで被害リスクは約半分に減らせる
  • 費用別の対策を組み合わせ、「入りにくい家」を作ることが最大の防犯
  • 闇バイト型の組織的な下見にも警戒が必要な時代

前兆サインに気づくことは、空き巣被害を未然に防ぐ最大のチャンスです。本記事で紹介した12のサインと自宅の状況を照らし合わせ、1つでも心当たりがあれば、今日から対策を始めてください。

マーキングが見つかった方は空き巣のマーキングとは?記号の意味・対処法を専門家が解説で記号の意味と消し方を、自宅全体の防犯レベルをチェックしたい方は防犯診断チェックリストを、ぜひご活用ください。

大切なのは「知ること」と「行動すること」。この記事が、あなたとご家族の安全を守る一歩になれば幸いです。「じぶん防犯」トップページでは、住宅防犯に関するさまざまな情報を発信しています。