通学路の防犯・安全対策ガイド|危険の見分け方〜防犯グッズ【防犯設備士監修】
「子供の通学路が心配だけど、何から対策すればいいかわからない」「危険な場所の見分け方を知りたい」——そんな保護者の方は少なくありません。
警察庁の調査によると、2020〜2024年の5年間で歩行中の交通事故死傷者は7歳が最も多く3,436人にのぼります。さらに不審者による声かけ・つきまとい事案は登下校の時間帯に集中しており、通学路の安全対策は保護者にとって避けて通れないテーマです。 (出典:警察庁「交通事故の発生状況」)
本記事では、防犯設備士として10年以上の実務経験を持つ筆者が、通学路の危険箇所の見分け方から、子供への防犯教育、防犯ブザー・GPSの選び方まで徹底解説します。発達段階別の安全教育ガイドやチェックリストも掲載していますので、この1記事で通学路の安全対策に必要な知識がすべて身につきます。
この記事でわかること
- 犯罪機会論に基づく通学路の「危険な場所」の科学的な見分け方
- 交通事故・不審者事案の最新統計データと、リスクが高い時間帯・場所
- 「いかのおすし」を実践力に変えるロールプレイングの方法
- 低学年・中学年・高学年の発達段階別に適した安全教育
- 防犯ブザー・GPS端末・見守りサービスの選び方と比較
- 親子で作る「地域安全マップ」の具体的な作成手順
- 自治体への要望書の書き方と、通学路改善の進め方
はじめに ── 防犯設備士として伝えたいこと
防犯設備士として多くの現場に立ち会い、地域の安全対策に携わってきた中で、通学路の安全は最も相談の多いテーマのひとつです。
保護者の皆さんが不安を感じるのは当然のことです。しかし、やみくもに心配するのではなく、「どこが危険か」を科学的に見極め、「何をすべきか」を段階的に実践することで、お子さんの安全を大きく高められます。この記事が、ご家庭での防犯対策の第一歩になれば幸いです。
データで見る通学路のリスク ── 統計が示す「本当の危険」
通学路の安全対策を考えるうえで、まずデータに基づいてリスクの全体像を把握しましょう。
「魔の7歳」── 小学1年生が最も危ない理由
「魔の7歳」という言葉をご存じでしょうか。歩行中の交通事故で死傷する子供の年齢を見ると、7歳(小学1年生)が突出して多いことが統計で明らかになっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 歩行中の事故死傷者(7歳・5年間累計) | 3,436人(全年齢で最多) |
| 小学1年生の死者・重傷者数 | 6年生の約2.7倍 |
| 下校時の事故割合 | 全体の25.8% |
(出典:警察庁「交通事故の発生状況」、政府広報オンライン)
この背景には、子供特有の発達段階が関係しています。7歳児の視野角度は大人の約150度に対して約90度しかなく、左右からの危険に気づきにくいのです。また、保護者と一緒に登下校していた幼稚園・保育園時代から、一人で歩く小学校への移行期にあたることも大きな要因です。
交通事故の発生時間帯・場所の傾向
小学生の歩行中の交通事故は、時間帯と場所に明確な傾向があります。
- 時間帯: 午後2時〜5時台に集中し、最多は午後3時台(下校時間帯)
- 場所: 交差点・横断歩道付近が最も多く、次いで直線道路
- 月別: 4月〜6月にかけて増加(新入学・新学期で不慣れな時期)
- 事故類型: 「飛び出し」が最多
特に新入学の4月〜6月は、子供が新しい通学路に慣れていないため、事故が増える傾向にあります。この時期に重点的な安全確認を行うことが重要です。交通事故から子供を守る年齢別の教え方は通学路の交通安全教育ガイドで詳しく解説しています。
不審者事案(声かけ・つきまとい)の最新統計
交通事故と並んで保護者が心配するのが、不審者による声かけやつきまといです。
千葉県警察が公表した2024年の統計によると、13歳未満の子供を対象とした不審者情報は約1,100件にのぼります。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 行為別で最多 | 声かけ(全体の約38%) |
| 被害が集中する時間帯 | 登下校時間帯(全体の約72%) |
| 被害者の性別 | 女の子が約66%、男の子が約28% |
(出典:千葉県警察「不審者情報の分析結果」)
注目すべきは、不審者事案の約72%が登下校の時間帯に集中しているという点です。つまり通学路こそが、子供の防犯対策において最も重要な場所なのです。また、男の子も約28%が被害に遭っており、性別を問わず対策が必要です。
不審者に遭遇した時の具体的な対処法やロールプレイ練習については不審者に遭った時の対処法と練習方法で詳しく解説しています。子供の防犯対策の全体像については子どもを守る防犯ガイドもあわせてご覧ください。
防犯設備士が教える「危険な場所」の見分け方
通学路の危険を見極めるには、感覚ではなく科学的なフレームワークを使うことが有効です。
犯罪機会論の2キーワード ──「入りやすい」×「見えにくい」
犯罪学の分野で広く認められている「犯罪機会論」では、犯罪が起きやすい場所の条件を「入りやすい」と「見えにくい」の2軸で説明します。
- 入りやすい場所: 誰でも自由に出入りでき、逃走しやすい場所(空き地、公園の裏側、管理されていない駐車場など)
- 見えにくい場所: 周囲からの見通しが悪く、死角が多い場所(高い塀・生垣の裏、薄暗いトンネル、放置された空き家の周辺など)
この2つの条件が重なる場所は、犯罪が発生しやすい「ホットスポット」です。お子さんと通学路を歩く際には、「ここは誰でも入れるかな?」「周りの人から見えるかな?」と声に出して確認してみてください。防犯の視点でまちを見る力が自然と身につきます。
防犯4原則(音・光・時間・目)と組み合わせれば、通学路の危険を多角的に分析できます。
交通事故リスクが高い3つのパターン
通学路で交通事故が起きやすい場所にも、共通するパターンがあります。
- 見通しの悪い交差点: 塀や建物で左右の見通しが効かない場所。子供は背が低いため、大人以上に死角が広い
- 抜け道になっている生活道路: カーナビの普及で住宅地内を通り抜ける車が増加。速度超過の車両が通学路を走るケースも
- ガードレールのない道路: 歩車分離がされていない道路では、車道に飛び出すリスクが高い
見落としがちな災害リスク
通学路の安全対策では、犯罪・交通事故に加えて災害リスクも確認しましょう。
- ブロック塀の倒壊リスク: 2018年の大阪北部地震ではブロック塀の倒壊で登校中の児童が犠牲になりました
- 河川・用水路の増水: 大雨時に水位が急上昇する場所を把握しておく
- 土砂災害警戒区域: 自治体のハザードマップで通学路沿いのリスクを確認
学校・行政の仕組みと連携の活かし方
通学路の安全は、家庭だけでなく学校・行政・地域が連携して守るものです。保護者として、既存の仕組みをどう活用できるかを知っておきましょう。
通学路交通安全プログラムとは
2012年に全国で通学路の交通事故が相次いだことを受け、文部科学省・国土交通省・警察庁が連携して「通学路交通安全プログラム」が策定されました。学校・教育委員会・道路管理者・警察が合同で通学路を点検し、対策を講じる仕組みです。
2024年3月末時点で、全国76,404か所の対策必要箇所のうち72,160か所(約94%)で対策が完了しています。 (出典:国土交通省「通学路における合同点検の結果」)
お住まいの自治体でも合同点検が実施されていますので、通学路で気になる箇所があれば、学校やPTAを通じて点検対象に加えてもらいましょう。
PTAの役割と、保護者ができること
PTAは通学路の安全活動において重要な役割を担っています。通学路の安全点検への参加、旗振り当番の運営、危険箇所の情報収集と行政への要望提出など、保護者が直接関与できる場面は多くあります。
PTA活動に参加する時間がない場合でも、「通学路で危険に感じた場所を学校に報告する」だけで大きな貢献になります。
通学路への防犯カメラ設置の現状
近年、多くの自治体が通学路への防犯カメラ設置を推進しています。防犯カメラには犯罪の抑止効果があり、万が一の際の証拠としても機能します。設置を要望する場合は、自治会や学校を通じて市区町村の防犯担当課に相談してください。防犯の相談窓口を活用するのも有効です。
家庭でできる防犯教育 ── 子供に「身を守る力」を教える
通学路の安全を守るうえで最も重要なのは、子供自身が危険を察知し、身を守る力を身につけることです。
「いかのおすし」を実践力に変える方法
「いかのおすし」は、「いかない・のらない・おおごえでさけぶ・すぐにげる・しらせる」の防犯標語です。多くの子供が言葉としては知っていますが、いざという時に行動できるかどうかは別問題です。
知識を実践力に変えるには、以下のステップが効果的です。
- 意味の理解: なぜ「ついていかない」のかを具体的に教える
- 場面の想定: 「お菓子をあげると言われたら?」とクイズ形式で考えさせる
- 体で覚える: ロールプレイングで実際に声を出し、走って逃げる練習をする
- 反復練習: 月1〜2回、5分程度の練習を継続する
距離感覚と「逃げる力」の育て方
犯罪から身を守るうえで、「不審者との距離を保つ」ことは極めて重要です。一般的に、腕を伸ばしても届かない距離(約2メートル以上)を保つよう教えましょう。
車から声をかけられた場合は、車の進行方向とは逆方向に逃げるのが鉄則です。車はすぐにUターンできないため、距離を稼ぐことができます。
ロールプレイングで身につくシーン別対応
ロールプレイングは、防犯教育で最も効果的な方法のひとつです。恐怖で体が固まり声が出なくなる子供は少なくありません。事前に体を動かして練習しておくことで、いざという時に反射的に行動できるようになります。
代表的なシナリオ例:
不審者役(親):「お母さんが事故に遭ったの。病院に連れて行ってあげるから車に乗って」
子ども:「のりません!」(車から離れ、走って逃げる)
練習のポイントは「怖がらせない」こと。あくまでゲーム感覚で行い、うまくできたらしっかり褒めましょう。「お母さんが大変な時は、お父さんか先生が直接迎えに来るよ。知らない人が言ったら嘘だからね」と事前に伝えておくことも大切です。
発達段階別・通学路の安全教育ガイド
子供の年齢や発達段階によって、理解できる内容や求められる行動レベルは異なります。お子さんの学年に合った安全教育を行いましょう。
低学年(1〜2年生)── 基本ルールの徹底
小学1年生は「魔の7歳」と呼ばれるとおり、最もリスクが高い年齢です。この時期は、シンプルなルールを繰り返し教えることが重要です。
- 「いかのおすし」の5つの約束を毎日の声かけで反復する
- 通学路を親子で複数回歩き、横断歩道や信号の渡り方を体で覚える
- こども110番の家の場所を実際に歩いて確認する
- 防犯ブザーの使い方を練習し、ランドセルに取り付ける
中学年(3〜4年生)── 判断力の養成
行動範囲が広がる中学年では、「なぜ危険か」を理解し、自分で判断する力を育てます。
- 犯罪機会論の「入りやすい・見えにくい」を使って通学路を一緒に分析する
- 不審者の典型的な手口を教え、「こういう時どうする?」と考えさせる
- 友達と下校する際のルール(寄り道しない、暗くなる前に帰る)を決める
高学年(5〜6年生)── 自立と地域貢献
高学年になると、自らの安全を守るだけでなく、低学年を守る役割も期待されます。
- SNSを通じた犯罪リスクを具体的に教える
- 下級生と一緒に下校する際の見守り意識を育てる
- 地域安全マップの作成に主体的に参加させる
- GPS端末やキッズ携帯の正しい使い方を話し合う
発達段階別の対策比較表
| 項目 | 低学年(1〜2年生) | 中学年(3〜4年生) | 高学年(5〜6年生) |
|---|---|---|---|
| 教え方 | 繰り返しの声かけ | クイズ・分析ワーク | 事例検討・話し合い |
| 重点テーマ | 基本ルールの習慣化 | 危険の自己判断 | 自立と地域貢献 |
| 防犯ツール | 防犯ブザー | 防犯ブザー+GPS | GPS+キッズ携帯 |
| 保護者の関わり | 毎日の声かけ・付き添い | 週1回の確認 | 月1回の話し合い |
親子で作る「地域安全マップ」── ワークショップ完全手順
「地域安全マップ」は、親子で通学路を歩きながら危険箇所と安全箇所を地図に記録する実践型の防犯教育です。
準備するもの・所要時間
- 通学路の地図(学校配布のもの、またはGoogleマップを印刷)
- 赤と青のマーカー(赤=危険、青=安全)
- メモ帳・カメラ(スマートフォンで可)
- 所要時間の目安:現地歩き60分+地図作成30分
5ステップの作成手順
- 地図を用意する: 通学路全体が入る縮尺で印刷する
- 親子で通学路を歩く: 実際の登下校ルートを一緒に歩き、気になる場所を確認する
- 危険箇所をマーキング: 「入りやすい」「見えにくい」場所を赤マーカーで記入する
- 安全箇所をマーキング: こども110番の家・交番・コンビニなどの避難先を青マーカーで記入する
- 対策メモを書き込む: 「ここでは走らない」「この道は通らない」などのルールを地図に記載する
完成した安全マップは、玄関やリビングの目につく場所に貼っておきましょう。学期ごとに見直し、新しい危険箇所や安全箇所がないか定期的に更新することが大切です。作成手順やワークシートの活用法については地域安全マップの作り方ガイドをご覧ください。
マップ作りで育つ「危険を見抜く目」
安全マップ作りの最大の効果は、子供自身が「危険を見抜く目」を養えることです。大人に教えられるのではなく、自分で発見する体験が、日常的に周囲を観察する習慣につながります。
防犯グッズ・見守りテクノロジーの選び方【2026年最新版】
子供の安全を補強するために、年齢と生活スタイルに合った防犯グッズやテクノロジーを活用しましょう。
防犯ブザーの選定基準と推奨スペック
防犯ブザーは、小学生の防犯対策において最も基本的なアイテムです。「おおごえでさけぶ」を補強し、恐怖で声が出ない時でも周囲に危険を知らせることができます。
選ぶ際の3つのポイント:
- 音量85dB以上: 周囲に確実に聞こえる音量
- ピン式(引っ張り式): パニック時でも簡単に操作できる
- 生活防水対応: 雨の日の登下校でも安心
ランドセルの肩ベルトに取り付け、利き手ですぐに引ける位置に装着しましょう。月に1回は電池残量と動作確認を行ってください。
GPS端末・見守りサービス比較表
2026年2月時点で、主要なGPS端末・見守りサービスを比較しました。
| 端末名 | 月額料金 | トーク機能 | バッテリー | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| みてねみまもりGPS トーク | 約528円 | ボイスメッセージ(40秒) | 約2週間 | 利用者数No.1、MIXI運営 |
| あんしんウォッチャー | 約539円 | なし(GPS専用) | 約1.5ヶ月 | au(KDDI)運営、長持ちバッテリー |
| BoTトーク | 約528円 | ボイスメッセージ | 約1週間 | トーク機能が充実、既読機能あり |
| キッズ携帯(各キャリア) | 約550円〜 | 電話通話 | 約1週間 | 緊急通話が可能 |
※料金は2026年2月時点の目安です。最新の料金・スペックは各公式サイトでご確認ください。
GPS端末の選び方ガイドでは、さらに詳しい比較情報を掲載しています。
見守りアプリ・サービスの機能比較
スマートフォンを持たせている高学年のお子さんには、見守りアプリの活用も選択肢のひとつです。位置情報の共有、特定エリアへの出入り通知、SOSボタンなどの機能を備えたアプリがあります。
ただし、アプリの利用にはスマートフォンが必要となるため、低学年のお子さんにはGPS専用端末をおすすめします。
キッズ携帯・キッズスマホの選び方
キッズ携帯は、GPS機能に加えて緊急時の電話通話ができる点が最大の強みです。ただし月額料金がGPS端末よりやや高く、通話料が別途かかる場合があります。お子さんの年齢、行動範囲、保護者の利用しているキャリアを考慮して選びましょう。
地域連携の実践 ── PTA旗振り当番マニュアル
通学路の安全は、地域の大人の目が重要な抑止力となります。ご近所付き合いと防犯力の関係でも解説していますが、「見守られている」という環境が犯罪を防ぎます。
効果的な立ち位置と誘導手順
旗振り当番で最も重要なのは、自分自身の安全を確保しながら子供たちを誘導することです。
- 立ち位置: 横断歩道の手前、歩道側に立つ。車道には絶対に出ない
- 誘導手順: 車の流れが途切れたことを確認 → 旗を車道側に出して車を制止 → 子供たちに「渡っていいよ」と声をかける → 全員が渡り終えたら旗を下ろす
- 注意点: ドライバーとアイコンタクトを取り、確実に停止したことを確認してから横断を指示する
旗振り当番の代行サービス
共働き家庭の増加に伴い、旗振り当番の負担を軽減する仕組みも広がっています。PTAでシフト制を導入して負担を分散させるほか、地域のシルバー人材センターや民間の代行サービスを活用する学校もあります。無理のない範囲で、継続できる仕組みを学校・PTAと相談しましょう。
通学路の改善を勝ち取る「要望書」の書き方
通学路に危険箇所を発見しても、「どこに相談すればいいかわからない」という保護者は多いです。ここでは、自治体に改善を要望する具体的な方法を紹介します。
相談窓口と手続きの流れ
- 学校(担任・副校長)に相談: まずは学校に危険箇所を報告。PTAの安全部門があれば、そちらにも伝えましょう
- 教育委員会に連絡: 学校を通じて、または直接教育委員会の学校安全担当課に相談できます
- 道路管理者への要望: ガードレール設置や路面標示などは、市区町村の道路管理課が担当します
- 警察への相談: 信号機の設置や横断歩道の新設は、所轄の警察署交通課に相談します
効果的な記述のNG例・OK例
要望書は「具体的な事実」と「明確な要望」を記載することが重要です。
| NG例 | OK例 | |
|---|---|---|
| 場所 | 「学校の近くの交差点」 | 「○○市△△町1丁目、□□交差点(○○小学校北側)」 |
| 状況 | 「車が多くて危ない」 | 「平日15時〜16時台に、抜け道として通過する車両が多く、信号のない交差点で児童との接触リスクが高い」 |
| 要望 | 「何とかしてほしい」 | 「横断歩道の設置と、ドライバーに注意を促す路面標示の整備を要望します」 |
場所は住所と地図を添付し、状況は日時・頻度を数値で示すことで、行政側も対応しやすくなります。写真や動画の添付も効果的です。テンプレートや提出先の詳細は通学路の改善要望書の書き方ガイドで解説しています。
シーン別・状況別の安全対策チェックリスト
通学路の安全対策は、天候や季節によっても変わります。
雨の日・悪天候時の対策
- 傘で視界が遮られるため、交差点では必ず傘を上げて左右を確認させる
- レインコートと長靴を着用させ、防犯ブザーを外側に出しておく
- 水たまりを避けようとして車道に出ないよう注意する
- 風が強い日は飛来物にも注意する
冬季・暗い時間帯の対策
- 下校時間が早まる冬季は、帰宅時にすでに暗くなっていることがある
- 反射材つきのランドセルカバーや反射タスキを着用させる
- 暗い道を避けるルートを事前に確認しておく
- 防犯ブザーの電池残量を事前に確認しておく
転居・入学時の通学路確認
転居や入学で新しい通学路になった場合は、必ず以下を実施しましょう。
- 親子で通学路を最低3回は歩いて確認する
- こども110番の家・交番・コンビニの場所を確認する
- 危険箇所(見通しの悪い交差点、人通りの少ない区間)を把握する
- 地域安全マップを新たに作成する
- 近所の子供と一緒に登下校できるか確認する
- 学校の緊急連絡先・連絡網を確認する
入学前に準備しておくべきことの全体像は入学前の通学路安全確認チェックリストで詳しくまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 通学路の安全対策で最も重要なポイントは何ですか?
最も重要なのは「危険な場所を知ること」と「子供自身が身を守る力を育てること」の2つです。犯罪機会論に基づく「入りやすい」「見えにくい」の2軸で通学路の危険箇所を見極め、いかのおすしの実践やロールプレイングで子供の対応力を高めましょう。防犯ブザーやGPS端末などのツールも併用すると効果的です。
Q2. 通学路の危険な場所はどうやって見分ければいいですか?
犯罪機会論の2つのキーワード「入りやすい」と「見えにくい」で判断します。誰でも自由に出入りできる場所かつ、周囲から死角になっている場所は犯罪が起きやすい場所です。親子で通学路を歩き、空き地・駐車場・高い塀の裏などをチェックしましょう。
Q3. 子供の防犯ブザーを選ぶ際の基準は?
音量85dB以上、引っ張るだけで鳴るピン式、生活防水対応の3点が基本です。ランドセルの肩ベルトに取り付け、子供がすぐに手が届く位置に装着しましょう。月に1回は電池切れや動作確認をすることも大切です。詳しくは防犯ブザーの選び方ガイドをご覧ください。
Q4. 通学路で不審者に遭遇した場合、子供はどう対処すべきですか?
「いかのおすし」の5つの行動を実践します。特に「すぐにげる」が最優先です。こども110番の家や交番、コンビニなど安全な場所に逃げ込み、大人に助けを求めましょう。事前にロールプレイで練習しておくと、いざという時に体が動きます。
Q5. 子供にGPS端末を持たせるべきですか?
小学校入学を機にGPS端末の携帯をおすすめします。リアルタイムで位置確認ができ、万が一の際にも迅速な対応が可能です。2026年現在、みてねみまもりGPSやあんしんウォッチャーなど月額500円前後から利用できます。詳しくはGPS端末の選び方ガイドをご覧ください。
Q6. 「いかのおすし」とは何ですか?
子供が犯罪被害に遭わないための5つの行動指針をまとめた防犯標語です。「いかない・のらない・おおごえでさけぶ・すぐにげる・しらせる」の頭文字をとったもので、2004年に警視庁と東京都教育庁が共同で考案しました。詳しい教え方は「いかのおすし」徹底解説をご覧ください。
Q7. 通学路の安全点検はどこに相談すればいいですか?
まずは学校(担任・副校長)またはPTAに相談しましょう。各自治体には通学路交通安全プログラムがあり、学校・教育委員会・道路管理者・警察が連携して合同点検を実施しています。市区町村の教育委員会や道路管理課にも直接相談できます。
Q8. 地域安全マップはどうやって作りますか?
5ステップで作成します。通学路の地図を用意し、親子で実際に歩いて危険箇所と安全箇所を確認。地図上に「入りやすい場所」「見えにくい場所」をマーキングし、こども110番の家や交番などの避難先も記入します。対策メモを書き込んで家庭で共有し、定期的に見直しましょう。
Q9. 通学路に防犯カメラを設置してもらうことはできますか?
可能です。多くの自治体が通学路への防犯カメラ設置を推進しています。設置を要望する場合は、自治会や学校を通じて市区町村の防犯担当課に相談してください。要望書には危険箇所の具体的な状況と設置希望場所を明記すると、スムーズに進みます。
Q10. 登下校の見守りボランティアに参加するにはどうすればいいですか?
学校やPTA、地域の自治会・町内会に問い合わせるのが最も確実です。参加に特別な資格は不要で、週1回から可能な場合が多いです。散歩やジョギングのついでに行う「ながら見守り」も推奨されています。
次に読むべき記事
- 集団登校・登校班の安全対策ガイド — 班長の役割や並び方のルールなど、集団登校の効果的な運用方法を解説
- 塾・習い事帰りの防犯対策ガイド — 暗い時間帯の帰り道、ルート選びや見守りの工夫を紹介
- スクールガード・見守りボランティアの始め方ガイド — 地域の見守り活動への参加方法や効果的な活動のポイントを解説
まとめ:子供の「生き抜く力」を育むために
通学路の安全対策は、「知る」「教える」「備える」「連携する」の4ステップで考えましょう。完璧な安全は存在しませんが、正しい知識と日々の積み重ねで、リスクを大きく減らすことができます。
- 犯罪機会論の「入りやすい」「見えにくい」で通学路の危険を見極める
- 7歳(小学1年生)が最もリスクが高い。入学前後の重点対策が重要
- 「いかのおすし」はロールプレイで「知っている」を「できる」に変える
- 発達段階に合った安全教育で、子供の判断力を段階的に育てる
- 防犯ブザー・GPS端末で安全を補強する
- 親子で「地域安全マップ」を作り、危険を見抜く目を養う
- 学校・PTA・行政と連携し、通学路の改善を要望する
- 日頃の親子の会話こそが、最も効果的な防犯ツール
まずは今日できることから始めましょう。お子さんと一緒に通学路を歩き、「ここは安全かな?」と話し合うことが、防犯の第一歩です。
お子さんが留守番する場面の対策は子どもの留守番防犯ガイド、防犯の基本原則は空き巣が嫌がる防犯4原則(音・光・時間・目)もあわせてご覧ください。「じぶん防犯」トップページでは、家庭の防犯に役立つ情報を幅広く発信しています。