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防犯標語一覧|いかのおすし・ひまわり・はちみつじまんの意味と使い分け

「いかのおすし以外にも防犯標語があるの?」──子供の防犯標語は実は複数あり、それぞれ守備範囲が異なります。「いかのおすし」は不審者に遭った時の対処法、「ひまわり」は危険な場所の見分け方、「はちみつじまん」は不審者の行動パターンの見抜き方と、標語ごとに教えるべき防犯知識が違うのです。本記事では防犯設備士の視点から、日本の主要な子供向け防犯標語5種を網羅的に解説し、年齢や場面に応じた使い分けガイドを提供します。

【一覧】子供の防犯標語 主要5種の意味と対象年齢

まず全体像を把握しましょう。日本で広く使われている子供向け防犯標語を一覧で比較します。

標語名提唱元内容対象年齢主な用途
いかのおすし警視庁不審者に遭った時の5つの行動全年齢不審者対処の基本
ひまわりステップ総合研究所危険な場所を見分ける4つのポイント全年齢通学路・外出時の安全確認
はちみつじまんステップ総合研究所不審者の7つの行動パターン全年齢不審者の見分け方
きょうはイカのおすし東京都教育庁・警視庁いかのおすし+予防行動2つ小学生〜予防+対処の総合版
つみきおに愛知県警察連れ去り防止の5つの行動幼児〜低学年いかのおすしの簡易版

各標語は「場所」「人」「行動」と異なる切り口で防犯を教えます。1つの標語だけでなく、複数を組み合わせることで子供の防犯力が総合的に高まります。

不審者対策の基本【いかのおすし】

「いかのおすし」は警視庁が推進する日本で最も有名な子供向け防犯標語です。不審者に遭遇した時の5つの行動指針をまとめています。

5つの約束の意味

文字意味
いか知らない人についていかない
知らない人の車にらない
おごえをだす
ぐにげる
大人の人にらせる

対象年齢と教え方のポイント

いかのおすしは全年齢共通の基本標語です。幼児には紙芝居やダンスで、小学生にはロールプレイで教えるのが効果的です。詳しい教え方は「いかのおすし」の意味と教え方ガイドで解説しています。

学校での防犯教室保育園・幼稚園の防犯教室でも、いかのおすしは指導の中心に位置づけられています。無料教材(プリント・紙芝居)も充実しているため、家庭でも取り組みやすい標語です。

危険な場所を避ける【ひまわり】

「ひまわり」は、犯罪が起きやすい場所の特徴を子供が自分で見分けるための標語です。ステップ総合研究所が実際の犯罪データに基づいて考案しました。

4つの行動ルールの意味

文字意味具体例
とりだけになるところ友達と別れた後の一人歩きの区間
わりから見えないところ塀の裏、高い植え込みの陰、駐車場の奥
かれ道、わき道や裏道人通りの少ない路地、近道の裏道
用されていない場所空き家の周辺、使われていない公園の奥

通学路・外出時の実践方法

「ひまわり」は通学路の安全対策と特に相性がよい標語です。親子で通学路を歩きながら「ここは"ひ"の場所だね(一人になるところ)」「ここは"ま"の場所(周りから見えない)」と確認すると、子供が自分で危険な場所を認識できるようになります。

「いかのおすし」が不審者に遭った"あと"の対処法なのに対し、「ひまわり」は危険を"事前に"避ける予防の標語です。両方を組み合わせることで、「危険な場所に近づかない」+「万が一の時は対処できる」という二重の安全対策になります。

不審者の行動を見抜く【はちみつじまん】

「はちみつじまん」は、不審者の行動パターンを見抜くための標語です。「ひまわり」と同じくステップ総合研究所が考案し、「危険な場所」と「危険な人」の両面から防犯力を高めるセットとして使われます。

7つの不審行動パターン

文字意味
やたらとなしかけてくる人
ぐんぐんかづいてくる人
じっとつめてくる人
後をいつまでもいてくる人
っと待っている人
わりから見えないところに連れていこうとする人
こういう人に会ったら「?」と注意!

子供への教え方と具体例

「はちみつじまん」を教えるときは、具体的な場面を例に出すのが効果的です。

  • 「公園でずっとこっちを見ている人がいたら、それは"み"だよ」
  • 「学校から帰る時に後ろからずっとついてくる人がいたら、それは"つ"だよ」
  • 「知らない人が急に話しかけてきたら、それは"は"かもしれないよ」

ポイントは「怖い人」という見た目ではなく、行動パターンに注目させることです。不審者は普通の見た目をしていることが多いため、行動で判断する力を養うことが重要です。

いかのおすしの拡張版【きょうはイカのおすし】

「きょうはイカのおすし」は、東京都教育庁と警視庁が共同で考案した「いかのおすし」の拡張版です。従来の5つの対処法に2つの予防行動を追加しています。

追加された2つの予防行動

文字意味区分
きょ知らない人や危険な場所からはきょりをとる予防行動(追加)
やめに帰る予防行動(追加)
いか知らない人についていかない対処法(従来)
知らない人の車にらない対処法(従来)
おごえをだす対処法(従来)
ぐにげる対処法(従来)
大人の人にらせる対処法(従来)

いかのおすしとの違いと使い分け

「きょうはイカのおすし」は「いかのおすし」に**予防的な行動(距離をとる・早く帰る)**を加えた上位互換です。「いかのおすし」をすでに覚えている子供に対して、さらに防犯力を高めるステップアップとして教えるのに適しています。

ただし文字数が多く低年齢の子供には覚えにくいため、まずは「いかのおすし」を完全に定着させてから「きょうは」を追加する段階的なアプローチをおすすめします。

連れ去り防止の行動指針【つみきおに】

「つみきおに」は愛知県警察が考案した防犯標語です。幼児〜小学校低学年でも覚えやすいシンプルさが特徴で、「いかのおすし」と同じく不審者対策の標語ですが、より平易な言葉で構成されています。

5つの行動指針の意味

文字意味
いていかない
んなといつもいっしょ
ちんと知らせる
おごえで助けを呼ぶ
げる

他の標語との違い

「つみきおに」は「いかのおすし」と重なる内容(ついていかない・大声を出す・逃げる・知らせる)がありますが、「みんなといつもいっしょ」という集団行動の重要性を含んでいる点が特徴です。一人にならないという予防行動を強調しており、低年齢の子供にとってシンプルで実行しやすい標語です。

愛知県では防犯絵本「つみきおにちゃんとかえるもん」なども制作されており、保育園・幼稚園での防犯教育に活用されています。

年齢×場面で選ぶ 最適な防犯標語マトリクス

「どの標語をいつ教えればいいの?」という疑問に答えるため、年齢と場面で最適な標語を整理しました。

未就学児(3〜6歳)に最適な標語

未就学児にはシンプルな標語を1つ、確実に覚えさせることが大切です。

  • 最優先: つみきおに(最もシンプルで覚えやすい)
  • 次のステップ: いかのおすし(つみきおにが定着した後に)
  • 保護者向け: ひまわり(親が危険な場所を把握し、子供を守る)

小学校低学年(6〜8歳)に最適な標語

低学年では「いかのおすし」を中心に、場所の判断力も育てます。

  • 基本: いかのおすし(対処法の基本を確実に定着)
  • 追加: ひまわり(通学路の危険箇所を親子で確認)
  • 応用: はちみつじまん(不審者の行動パターンを知る)

小学校高学年(9〜12歳)に最適な標語

高学年では複数の標語を組み合わせた総合的な防犯力を身につけます。

年齢×場面の標語マトリクス

年齢と場面の組み合わせで、最適な標語を一覧にまとめます。

場面\年齢未就学児低学年高学年
通学路・外出つみきおにいかのおすし+ひまわりきょうはイカのおすし+ひまわり
知らない人への対応つみきおにいかのおすし+はちみつじまんきょうはイカのおすし+はちみつじまん
留守番─(留守番は非推奨)いかのおすしきょうはイカのおすし
インターネットいかのおすしネット版いかのおすしネット版+あとがこわい

防犯標語を使った効果的な教育方法

標語を知っているだけでは意味がありません。子供が実際の場面で行動できるように教えることが大切です。

家庭での教え方3ステップ

ステップ1:標語の意味を教える

まず標語の頭文字の意味を1つずつ確認します。低年齢の子供にはいかのおすしの紙芝居やプリント教材を使うと理解しやすくなります。

ステップ2:具体的な場面で練習する

「知らない人にお菓子をあげると言われたらどうする?」などの質問形式で、標語に沿った行動を考えさせます。「いかのおすし」の教え方ガイドではロールプレイのシナリオ例を、怖がらせない教え方では年齢別の声かけフレーズも紹介しています。

ステップ3:日常生活の中で繰り返す

通学路を歩きながら「ここは"ひまわり"の"ま"(周りから見えない場所)だね」と声をかけるなど、日常の中で標語を思い出させる機会を作りましょう。

学校・地域イベントでの活用法

  • 防犯教室: 小学校の防犯訓練で「いかのおすし」を中心に教え、「ひまわり」を通学路確認で活用
  • PTA活動: 保護者向けに「はちみつじまん」を紹介し、不審者の行動パターンへの理解を共有
  • 地域パトロール: 「ひまわり」の4ポイントで地域の危険箇所を洗い出し、見守り活動に反映
  • 掲示物: 各標語のポスターを校内に掲示し、日常的に目に触れる環境を作る

よくある質問(FAQ)

Q1. 「ひまわり」の防犯標語は何の略ですか?

「ひとりだけになるところ」「まわりから見えないところ」「わかれ道・わき道・裏道」「利用されていない場所」の頭文字です。犯罪が起きやすい場所の特徴を子供が覚えるための標語で、ステップ総合研究所が実際の犯罪データに基づいて考案しました。

Q2. 「はちみつじまん」の防犯標語の意味は?

不審者の7つの行動パターンを見抜くための標語です。「話しかけてくる」「近づいてくる」「見つめてくる」「ついてくる」「じっと待っている」「周りから見えないところに連れていく」「"ん?"と注意」の頭文字をとっています。

Q3. 「つみきおに」はどんな防犯標語ですか?

愛知県警察が考案した連れ去り防止の標語です。「ついていかない」「みんなといつもいっしょ」「きちんと知らせる」「おおごえで助けを呼ぶ」「にげる」の5つで、幼児〜小学校低学年でも覚えやすいシンプルさが特徴です。

Q4. 「きょうはイカのおすし」と「いかのおすし」の違いは?

「きょうはイカのおすし」は「いかのおすし」に「距離をとる(きょ)」と「早めに帰る(は)」の2つの予防行動を追加した拡張版です。東京都教育庁と警視庁が共同で考案しました。「いかのおすし」が定着した後のステップアップとして教えるのが効果的です。

Q5. 子供に最初に教えるべき防犯標語はどれですか?

いかのおすしが最も基本的で優先度が高い標語です。幼児でまだ「いかのおすし」が難しい場合は、よりシンプルなつみきおにから始めましょう。基本が定着したら、「ひまわり」(場所の判断)や「はちみつじまん」(人の判断)を追加していくのがおすすめです。

Q6. 防犯標語は何歳から教えられますか?

3歳頃から始められます。ただし3〜4歳では標語の暗記よりも、「知らない人についていかない」という1つのルールを繰り返し教えることが大切です。5歳以降で「つみきおに」、小学校入学前後で「いかのおすし」を教えるのが一般的なステップです。

Q7. 学校で使える防犯標語の掲示物はどこで入手できますか?

各都道府県警察のウェブサイトから無料でダウンロードできるポスター・リーフレットがあります。いかのおすし無料教材まとめで、プリント・紙芝居・ポスター素材を一覧で紹介しています。また、所轄警察署に相談すれば防犯教室用の教材を提供してもらえる場合もあります。

まとめ

子供の防犯標語は「いかのおすし」だけではありません。複数の標語を年齢と場面に応じて使い分けることで、子供の防犯力を総合的に高められます。

  • いかのおすし: 不審者に遭った時の対処法(全年齢の基本)
  • ひまわり: 危険な場所を見分ける力(通学路の安全確認に最適)
  • はちみつじまん: 不審者の行動パターンを見抜く力(人の判断力を育てる)
  • きょうはイカのおすし: いかのおすし+予防行動(いかのおすし定着後のステップアップ)
  • つみきおに: 幼児でも覚えやすい連れ去り防止の標語
  • まずは「いかのおすし」を確実に定着させ、年齢に応じて他の標語を追加していく
  • ネット防犯標語(あとがこわい・おぜのかみさま)も合わせて活用

防犯標語は「知っている」だけでなく「行動できる」レベルまで定着させることが大切です。日常の中で標語を思い出させる声かけを続け、子供自身が危険を判断し、行動できる力を育てていきましょう。

次に読むべき記事

いかのおすし無料教材まとめも合わせてご活用ください。そのほかの防犯対策は「じぶん防犯」トップページからご覧ください。

この記事を書いた人
防犯設備士(公益社団法人 日本防犯設備協会認定)

防犯設備士として10年以上のセキュリティ業界経験を持つ。住宅・店舗・施設の防犯カメラ設置や防犯診断の現場経験をもとに、専門知識を一般の方にもわかりやすく発信している。

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